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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第70話:悪の魔法使いの行軍
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た彼女の手はピクリと動かず、その下から血が滲み出てくる。

 その様子を見て緑の魔法使いはつまらなそうに双剣の片方で自分の右肩を叩いた。

「え〜、もう終わり? つまんないの〜。ま、いっか。この後もっと楽しそうなことになりそうだし!」

 そう言うと、緑の魔法使いの姿が掻き消えるように居なくなる。

 後には崩れた資材の山と、それに下敷きにされたアルドだけが取り残されるのだった。




***




 一方その頃、ステージの方では事態が動いていた。

 観客が全員会場を後にした瞬間、スタンバイしていた慎次の手によりテレビ中継が中断された。これによって後顧の憂いは無くなり、奏と翼はシンフォギアを纏えるようになる。

 シンフォギアを纏った2人は、ノイズもそっちのけでマリアと交戦を開始した。

 アームドギアを振るう奏と翼に対し、マリアは徒手空拳とマントを駆使して対抗する。
 このマントがなかなかに厄介だった。一言で言うならば変幻自在。マリアの意志により自由に動くマントは、見た目に反してあり得ない硬度を持っており2人の攻撃を全く通さない。

 2対1であるにも拘らず、全く引けを取らないマリアを相手にしては、奏も翼も認めない訳にはいかなかった。

「あぁ、クソッ!? 悔しいが……」
「このガングニールは本物ッ!」
「ようやくお墨を付けてもらった。そう、これが私のガングニール。何者をも貫き通す、無双の一振りッ!」

 奏と翼に接近し、マントを広げて回転するとマリアが独楽のように回転して2人を薙ぎ払おうとする。

 もう何度かこの攻撃で吹き飛ばされてきた2人だが、何度も見れば嫌でも対処法は分かる。

「だからとてッ! 私達が引き下がる道理など、ありはしないッ!」
「行くぞ、翼ッ!」

 翼が刀で正面からマリアのマントを受け止めると、奏が跳躍し真上からマリアに槍を振り下ろした。確かにこの回転攻撃は厄介だが、頭上だけは話が別。まるで台風の目のように中央は無防備だった。

 そこを狙って奏が攻撃を仕掛けると、流石に堪ったものではないのかマリアは攻撃を中断して後ろに下がった。

 後退して着地した瞬間、マリアに通信が入る。

『マリア、お聞きなさい。フォニックゲインは、現在22%付近をマークしています』

 その通信内容はマリアを瞠目させるのに十分なものであった。

(あと78%も足りてないッ!?)

 思わず動揺し、思考が乱れる。それを見逃す奏と翼ではなく、今が好機と勝負を掛けに動いた。

「私達を相手に気を取られるとはッ!」
「随分と余裕だなッ!」

[双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-]

 奏と翼、2人の合体技がマリアに放たれる。

 燈
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