暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第70話:悪の魔法使いの行軍
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撮影者が後ろを振り向くと、そこでは全身が肥大化したメイジがスクラッチネイルを振り上げている様子が映し出されていた。
『Nooooooo!?』
撮影者と思しき人物の悲鳴が上がると同時に、スクラッチネイルが振り下ろされる。映像はそこで途切れ、モニターは真っ暗になる。
「こ、これはッ!?」
映像の内容に弦十郎は拳を握り、朔也などは顔を顰めていた。
今し方見せた映像の内容を説明すべく、斯波田事務次官が蕎麦を食べる手を止めて口を開いた。
『今のが数十分前の映像だ。あそこだけじゃなく、各地にある米国基地が同時に襲撃を受けたらしい』
「では、遂にジェネシスが本格的に行動を?」
『それだけじゃねえ。トラブルがあったのは米国の聖遺物研究機関でもだ』
「米国の聖遺物研究機関と言うと、F.I.S.ですか?」
『近隣の基地が魔法使いに襲撃されただけじゃなく、今日まで解析してきたデータの殆どがお釈迦。おまけに保管していた聖遺物までもが行方不明って話だ』
「無関係……とは言い切れませんね」
『蕎麦に喩えるなら、オリってことはあるめぇ。まぁニハチでそう言うこったろう』
蕎麦を再び啜り始める事務次官を他所に、アルドは思考を巡らせる。
F.I.S.とは正式名を米国連邦聖遺物研究機関。活動目的は二課と同様に、秘密裏に聖遺物の研究を進める組織であり、同時にウェル博士の配属先……いや、元・配属先である。
あおいからの報告で、ウェル博士がジェネシスと繋がりがある事は二課本部の知るところとなっている。そのウェル博士が配属していた組織と、恐らくそれを守護する目的があるだろう米軍の基地が魔法使いに襲撃された。
完全に黒だ。そしてウェル博士が奪ったソロモンの杖でしか使役出来ないノイズを、マリアが従えている。
関係性は明らかであった。
「失礼、私は席を外します」
「何処へ?」
「もしもの事態に備えて、現場へ向かいます」
「ならヘリを出そう」
「いえ、御心配には及びません。それでは」
考えが纏まったアルドは、モニターに背を向けて司令室を後にした。
司令室を出ていったアルドの後姿を見送った弦十郎は、再び視線をステージの様子を映すモニターに戻すのだった。
***
時は戻って、ステージと観客席が騒ぎとなっている現在。
スタッフも含めて無関係な人間の避難が進み誰も居なくなった会場の裏手を、静かに進む2人の少女の姿があった。1人は金髪にバッテン型の髪留め、もう1人は黒いツインテールの少女だ。
2人の少女が向かう先は、観客やスタッフが逃げる先とは逆方向である。だが2人には迷っている様子はない。寧ろ自ら進んで危険な会場の方へ向かっているように見えた。
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