暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第70話:悪の魔法使いの行軍
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 会場にノイズが現れた瞬間、颯人と慎次は魔法でカメラルームへと向かっていた。全世界に生中継されている状況では、ステージ上に居る奏と翼がシンフォギアを纏えない。2人が戦えるようにするには、観客を逃がした上で中継を切らなければならなかった。
 状況を利用して適当な理由を付けてスタッフを逃がす2人。

 そんな時、マリアが黒いガングニールを纏い、そしてフィーネと名乗った様子を見た2人は驚愕に目を見開いていた。

「おいおい、冗談が過ぎるぜ?」
「これは流石に予想外ですね」

『我ら武装組織フィーネは、各国政府に対して要求する! そうだな……差し当たっては国土の割譲を求めようか。24時間以内にこちらの要求が満たされなかった場合は、各国の首都機能がノイズによって不能となるだろう』

 あまりにも無茶苦茶すぎる要求。例え国そのものの存亡が係る状況になろうと、たった一日で結論の出る話ではない。
 あの要求は明らかにこの後の要求を通しやすくする為のハッタリだ。

 つまり、本命は別にある。

「とりあえず緒川さんは中継を何とか頼むわ。俺は何時でも奏達の援護に回れるよう、あっちでスタンバっとく!」
「お願いします!」
〈テレポート、プリーズ〉

 颯人はこの場慎次に任せ、自分はステージ近くに移動した。

 舞台裏に彼が転移すると、ステージからは奏と翼がマリアと話す声が聞こえてくる。

「何を意図しての騙りかは知らぬが……」
「私が騙りだと?」

 翼はマリアのガングニールを、ガングニールを模倣した偽物だと勘繰っているらしい。若しくはそう思いたいのか……。

 とにかく、颯人は何があってもいい様にと直ぐに動けるように舞台袖に移動しスタンバイしておく。

「これがショーだったら最高なんだけどなぁ……変身!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉

 颯人は周りから見えない所でウィザードに変身し、ウィザーソードガンを手に準備を整える。

 位置的に奏からは颯人が変身する様子が見て取れた。変身する彼が舞台袖に居るのに気付き、奏が微かに目を見開く。
 颯人はそれをマリアに悟られないようにと、口元に指を一本立てジェスチャーで『静かに』と告げた。

 奏がそれに小さく頷いていると、翼とマリアの話が何時の間にか進んでいたのかマリアが声を上げる。

「そう。ならば『会場のオーディエンス諸君を解放する! ノイズには手出しさせない。速やかにお引き取り願おうか!』」

 まさかの行動に、舞台袖の颯人も首を傾げる。ここで人質を解放するとは一体どういう事なのか?




***




 時は遡り、ここ二課の仮設本部司令室でも次々と変化する状況に動揺が隠せなかった。

 何よりも彼ら
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