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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
踏み込んだアタシは、ボクになる
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なろう!菫さん!!」
「菫ちゃんでいいよって言ったのになぁ。友達なんだなら、遠慮はいらないんだよ。」
「じゃ、じゃあその…菫…ちゃん。」
そう言われ、嬉しくなった菫はそのままイリヤを抱き上げる。
待ってください、自分で歩けますから!という言葉も聞かず、菫はそのままイリヤをお姫様抱っこし降りてきた階段を駆け上がっていった。
今の菫にとって、殺人犯を殺すことよりも初めてできた友達と一緒に帰ることが何よりも大事なことになっていた。
?
「この辺りに…ありました!!」
一方その頃。
映像を辿りとある廃屋の中へとやってきた紫式部一行。
床にある重い鉄の扉は開け放たれ、自分のマスターがここに入っていったことは分かった。
先程見えた映像の一部。
大量の土蜘蛛に囲まれた葵とイリヤ。
間に合ってくれと願いながら紫式部は地下に続く階段を降りようとするが…
「待て。」
「…?」
尾頭が、それを止めた。
「な、何故です!?」
「何か来る。」
彼はそれだけ言い、ショットガンをかまえる。
「漂って来るわぁ…濃ゆい血の匂い。それも妖の類やね。」
「…!」
酒呑童子の言う通り、確かに血の匂いがする。
それと共に感じる気配。
まるで子供のように純粋で、しかも獣のように凶暴な気配。
いや待て、これは感じたことがある。
「お待ち下さい尾頭様。銃を下ろしてください。」
「あ?なんでだ?」
「この気配…敵ではありません。」
「…?」
そうしてやがて地下から響いてくるカツーン、カツーンという音。
誰かが階段を登ってきている。
それと同時に、話し声らしいものも聞こえてきた。
「あーあ。汚しちゃったなぁ…香子に怒られたらどうしよ。」
「だ、大丈夫だよ!菫ちゃんは頑張ったし!私も何か言ってあげる!」
「ほんと?ボクに味方してくれるの?」
「…?」
「やはり、そうでしたね。」
地下への階段から姿を現したのは血塗れで背中に物騒なものを背負った葵。
そして、そんな彼女にお姫様抱っこされたイリヤだった。
「イリヤ!?テイマーはどうした!?」
「た、ただいま…。す、菫ちゃんと一緒にやっつけて来ました…。」
「菫?」
菫に下ろされ、イリヤは己のマスターの元へと駆け寄る。
そして
「香子だ!!ただいま香子!!悪者はぶっ殺さなかったけどきちんとやっつけてきたよ!!」
パァっと明るい笑顔を浮かべ、菫は飛び込むように紫式部の胸へと抱きついた。
「その様子ですと、菫様ですね。」
「うん、そうだよ。それと聞いてよ香子!ボクにお友達ができたんだ!!」
イリヤという友達が出来たこと。
地下でテイマーを殺さず、適度に痛めつけて反省させた事。
テンショ
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