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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
踏み込んだアタシは、ボクになる
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は小学五年生だ。
魔術云々など知らないし、答えも当然知らない。

「でも、どうしてだろう。」
『おや?何か感じるんですか?』
「うん。変なの。あれだけの事をしてても、私はあの菫さんのことを不思議と怖く感じない。」

チェーンソーが、ガチンと地面に突き立てられる。
周囲に転がるのは、物言わぬ死体となった土蜘蛛達。

「はい。おしまい。」

サーヴァントの力も借りず、彼女は土蜘蛛を全滅して見せたのだ。

「おい…ウソだろ。」

確実にやられるはずだった。
普通の人間ならば土蜘蛛にはかないませんと、例の御札をもらった陰陽師からそう言われていた。
しかしこれはなんだ?
サーヴァントはおろか人間にやられ、さらに相手は返り血に塗れて分かりにくいが無傷だ。
まさか騙された?いいや違う。
あちらが、普通の人間ではないからだ。

「…ッ!」
「あっ!待てこら!!」

このままではヤバい。
寒気に似たようなものが背筋を走り、テイマーは走り出す。
しかし

「ぎゃあぁあ!?」

突如ふくらはぎにはしる痛み。
バランスを崩し、転びながら何事かと思いそこに目をやれば鉄筋が貫いていた。
そして下の方には、

「…逃げんなよ。」

それを投げたであろう、彼女がいた。

「が、あぁっ!?」

とっさに手すりに捕まろうとするも錆びて脆くなっていた為、テイマーは手すりごと下に落ちていく。

ホコリを巻いあげながらテイマーは落下し、落ちた際にぶつけた頭をさすり、パソコンが無いことに気付くと彼は必死にそれを探した。
しかし、

「はい、おしまい。」

パソコンはあった。
しかしそれはとうに、踏み潰され使い物にならなくなっていたが。

「…。」
「どうだった?登録者何人くらい?1万?10万?死ぬ前に教えてよ。」
「ひ、ひいぃー!!!」

そして目の前にはあの土蜘蛛を倒した女。
大鬼用のチェーンソーを片手で軽々と扱った、菫がいる。
恐怖に駆られた男は足を引きづり、なんとか後ずさりして逃げようとするも

「逃げるなって、言っただろッ!!」
「ぎゃあああああ!!!!!」

無事な方の片足。
それは拾い上げた鉄筋によって地面に縫い付けられてしまった。

「いてぇ…いてぇよぉ…!!おれが、おれがなにをしたっていうんだよぉ…!!」

テイマーは涙を流すが、そんな物に興味はない。
菫は地面に突き刺して置いていたチェーンソーを手に取ると、彼の前まで戻ってきた。

「なにをした?え?キミがそれ言うの可笑しくない?」
「…!」
「きっと陵辱され、殺されてった女の子達もみんなキミにそう言って死んでったハズだよ?聞いてないの?いや、撮りながら聞いてたよね?きったない笑顔浮かべて、
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