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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(2)〜交戦星域首脳会議〜
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成邦の”神聖なる主権”の象徴であり同盟政府官僚とサジタリウス腕で法学を志す学生達から心の底から憎まれている(?)国である。資源輸出国でありティアマト民国の共同でバイオ技術にも手を出している技術と伝統の両立に熱心な国である。

「グラス総裁殿、お久しぶりですな」
 皴を深く刻まれたいかにも老貴族といった風貌の男が会釈を向ける。連合国執政(コンスル)デネートリオ2世である。銀河帝国ではなくその前身の銀河連邦財大物(と主張している)の血を引いている。実際は銀河連邦中央の権力争いに敗れ左遷された身であろうが少なくともパランティア連合国が企業連合だった頃から上層部を担う一族であったのは事実である。

「お二人が話しているということは私も交ざった方が良いお話でしょうかな」

「いえいえ、デネートリオ閣下にもご説明していたところですが、まだ計画段階でしてな、目鼻がつけば運輸の方でご相談に与ることもあるかと」
「フェザーンが持ってきた話のようだ、であればさぞかし儲かるであろうよ」
 デネートリオが顎をぐいと突き出しながら話すとタギーザーデは苦笑する。
「いやいや……」
 デネートリオを始めとするパランティア財界人はプライドが高い。バーラトの大企業に規模は負けていても風下に立つことは嫌う。フェザーンは輪をかけて嫌いである――が縁が薄い。何しろフェザーン人は名目上は帝国人でもある。彼らが【交戦星域】に居るのは不自然極まりないし、彼らが何かを目にすればそれだけで帝国軍相手の儲け話になりかねない。
 それを分かったうえで出入りするのであればそれは帝国軍情報部か貴族の私掠艦隊のついでに雇ったスパイか――同盟軍情報部を通したバーラト大企業の嫌がらせである可能性もある。
 まぁ理屈をつけていてもオリベイラ教授などは酒の席でバッサリと「交戦星域の人間は戦火の安全地帯にいる奴はみんな嫌いなんだよ、特にそれで儲けている連中はね」とバッサリと切り捨てているのだが。
 デネートリトは鼻を鳴らし、話題を変える。
「まぁこの商談はおいておこう。現場が動き出せばそちらにも話を持っていくかもしれぬがな。それよりも帝国軍だ!どこから漏れたのか、どの程度当たりをつけたのか調べねばならん。こちらの人選も考えねばならぬか」
人選、という言葉にグラスは引っ掛かりを覚えた。
「パランティアも派兵を?」「ケレブラントから単座戦闘隊を送るつもりだが……他も考えている」
 タギーザーデはほう、と頷いた。
「帝国軍がどこで情報を得たかというのは私が思うに――」
 とそこで定刻10分前を知らせるチャイムが鳴った。 



「それでは【交戦星域】首脳会議危機管理対策委員会の臨時会合を始めます。
この度の臨時会合は、、自由惑星同盟国内、特にヴァンフリートを目標
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