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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(2)〜交戦星域首脳会議〜
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っと引っ張りすぎだって、痛い、痛――」
残された男二人、天民総統と大船団総裁は苦笑を交わす。
「大変だな」「ですが実績が増えるのであれば良いことです、中央へ訴えるためにも――」
グラスはちらり、とフー天民総統を見る。大夏天民国は独立独歩の国だ。ドーリア星域に近く、エル・ファシルよりも後方であるが復興への派遣には熱心である。だが一方でイゼルローン攻略には腰を引けている――損害による防衛体制の劣化を指摘しているのだから結果からすると間違ってはいないのだが――
「この度の騒動、貴国はいかがなさるおつもりで」
「正墨旗軍から旅を送ります」
グラスは息を呑んだ。
「最精鋭ですか」
正墨旗軍、防衛戦のスペシャリストであり、第五次イゼルローン攻略作戦の前哨戦である拠点設営においても先陣をきった経験がある。
「左様、この戦は名分が立ちます」
【交戦星域】はヴァンフリートやアスターテを筆頭に構成邦軍に力を入れている。
「我々は互いに国民に対する義務を負っています、ですがそれだからこそ隣人愛が必要なのです。兼愛交利、平等な愛こそが共同体を円滑に機能させ、皆に繁栄をもたらすのです」
「なるほど、倫理における古典は宗教であれば、確たる信心なき者にも含蓄を与える」
ニヤリ、と笑うグラスにフーは寛大な笑みを返した。
「であればこそ、我々の信仰は地球時代から変わらず続いておるのです」
啓典教墨家会衆派、その長い歴史に思いを馳せるように目を細めた。‥‥‥原初の啓典の誕生からさかのぼれば5000年近くの伝統ある宗教なのだ。大夏天民国の主張を信じれば。
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フーとの歓談を終え、今度はグラスが向かった先では老人と初老の男が部屋の隅で会話を交わしている。
「いえいえ、それはまだ早いですよ、ウチの”ダレイオス・プロジェクト”はまだ企画書が出来上がったばかりです――デネートリオ閣下はお耳が早い」
「いやいや、フェザーン企業が出資をもちかけたと聞いておるが、タギーザーデ大統領閣下」
「えぇもちろん、パランティアからの投資ももちろん歓迎しております、フェザーンの投資は原資の充足に必要でしてな」
「うむ、であれば後ほどまたお話をさせていただきましょう」
先程とは打って変わり何やら景気の良い密談のようだ、とグラスは苦笑する。邦が変われば話の内容がころりと変わるのは自由惑星同盟らしいものである。
「タギーザーデ大統領閣下、デネートリオ連合執政閣下お久しぶりです」
「これはこれは、アスターテの!お元気そうで何よりですな!!」
呵々と大笑するはタギーザーデ大統領、ムダンダム憲政共和国の大統領である。
ムダンダム憲政共和国は伝統的な慣習法、それを取りまとめた憲法を頂点とする法体系で運営されており、構
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