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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(2)〜交戦星域首脳会議〜
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無辜の民を略奪し、征服しようとする拠点とする要塞があるのであれば――その侵攻を食い止めねばなりません、阿?!」
 祈りの言葉を唱える天民総統へ頷きかけ、グラスはペイリンに尋ねる。

「そちらもまだ苦しいでしょう。それに構成邦軍を動かすのを民意が認めるとも思えなかった」
ぼかしているが連立相手のエル・ファシル進歩連盟のことを指しているのは間違いない。
「ビョークルンドは嫌な顔をしていましたが奴が嫌な顔をするのは通るとわかっているからよ。蛇口の栓を締められず、水を浴び続けている愚行に終止符を打たねばならないのは進歩連盟も理解しているわ」
 大規模な装甲に守られた侵攻拠点、エル・ファシルですらも陥落するそこにある危機、同盟政府に解決を求め、必要であれば強力に後押しをする。悲願というものはそういうものなのだ。
 ペイリン首相は”進歩的知識人達”から蛇蝎のごとく嫌悪される保守タカ派だが議会を主導する右派の指導者にふさわしくその政局眼は鋭い。極右極左の同盟懐疑主義政党が躍進する中でリベラル派の進歩連盟を結成した進歩連盟総裁ビョークルンドと手を組み、中央政府の連立三政党へのパイプを強化したやり手政局家である。
 ビョークルンドは自由、労農、双方の左派を糾合したがペイリンは親同盟保守層を固めることに成功した。だがそれはこの二人の能力が優れていること以上に――エル・ファシルの中央に対する不信感が高まっている圧力を受けた必然ということでもある。

「原案は既にまとまっております、サンフォード議長とSNS(国家安全保障小委員会)の支持をとれる形で編成を行いたいところです」
 オスマン少将 は軍中枢の軍令畑を耕してきた軍官僚らしく顎鬚を撫でながら若手政治家よりも政治家らしい口調で構成邦首脳陣に鋭い観察の視線を飛ばす。

「今回は予備軍として構成邦軍の動員を行う事は同盟政府の為ににもなる、自由党さえ黙らせれば呑ませることは容易いでしょう」
 そうですなぁ、と頷く構成邦首脳の2人にオスマンは髭の下で苦笑する。情報通信、金融、メディアなどを中心に【交戦星域】経済を牛耳る大企業が集うパランティアを除く【交戦星域】の大半は”自由党嫌い”が根付いている――より正確に言うと個人主義的ハイネセン主義嫌い、である。いわゆる自由党系でも社会全体のみならず構成邦間でも貧富の格差が広がる中でより進歩主義的(プログレッシブ)な修正ハイネセン主義が広がっている。

「ヴァンフリートは――難しい邦だ。だが今は運命の悪戯と幾つもの都合と自由惑星同盟としての合理性と人民らの不断の努力により数百万の人々が暮らしている。そして今、あの忌々しいイゼルローンを今度こそ叩き潰すための鍵だ。あのモハメド・カイレが我々を招き入れる決断をしたのであれば、尚更に」
 モハメド・カ
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