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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(2)〜交戦星域首脳会議〜
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いて本土を幾度も戦場とされたことから、同盟中央との関わり、更には本土防衛の為に徹底抗戦を唱えている【交戦星域】主流派への感情は芳しくない、特に亡命者系の宗主を自負するアルレスハイム王冠共和国とは折り合いは良くない。
 反戦主義と反中央、親フェザーンを組み合わせた価値観、そして閉鎖的な資源輸出国。帝国軍との関わりすら築いている――。
 その立地と歴史から独自路線の構成邦が多い【交戦星域】においても歴史的経緯からして独特の国である。

「”体調不良”だ、まぁ面子というものもあるでしょうな。パランティアで行われる以上は尚更に」
  グラスは重い溜息でハンソンの返答に対する感情を示す。
 グラスは軍人上がりの国民主義者(ナショナリスト)であり、“自国を守る為に他国の軍隊を入れるなど論外ではないかと考えているがデルメルの歴史を鑑みるにイゼルローン要塞という存在の影響力の強大さを”国土を捨てた”自国と比べるに如何なものか、とも自分の意識にある批判意識が囁くのであった。
「失礼します、他の方にも挨拶を」
「あぁ、またあとで」

 グラスの視線の先にいるのは 3人の男女である。
「ですが豊かになろうとする際に国防の本義を見失うことはあってはなりません」
「えぇまさしくその通り、故にこそ我々は祈り、伝えることが――」

「こんばんは、お二人とも。お久しぶりです」

「お久しぶりです、グラス総裁」

 栗色の髪を波うたせた壮年の女性が口を開く。エル・ファシル首相のルイーゼ・ペイリンだ。
地元マスメディアのジャーナリスト上がりでありメディア露出の高さと庶民派政治家としての人気から”フライングボール・ママ”と親しみを持って呼ばれるほど人気が高い。保守タカ派の政治家であるが地方党人派の先代首相のスキャンダル追及で人気を得た為、トリューニヒトやウィンザーの所属する中央派に近いと評判である。

「こんばんは、総裁閣下。貴方にも世界の平穏がありますよう」
 地球統一政府が樹立する頃にはほぼ壊滅していた啓典教墨家会衆派とやらを信仰している奇妙な国、大夏天民国の元首、フー・ジャオレン天民総統である。

 大夏天民国ーー銀河連邦辺境部に生き残ってた宗教共同体による農民反乱から生まれた国である。元首である総統というと誤解を招きかねないが、天民総統はグラスが務めているアスターテ連邦総裁も同じ”President”であり三権(大夏天民国ではこれに監察と人務を加えて五権に分割されていでるが)の上に君臨する元首という点では制約も権限も似たようなものである。
 ――閑話休題―― 

「この度はペイリン殿が議長でしたね」
「えぇ、午前中の実務者間協議の報告を受けておりました、彼が同盟軍代表者になります」
 ペイリンの傍に控えていた同
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