第六十二話 二人乗りその三十九
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「いさんでね」
「まあね、その返答は不合格だけれどね」
「気持ちは伝わったわ」
「もうちだからね」
「今はそれでいいわ」
「後は神様が何とかしてくれるわね」
「縁はあるし」
皆笑いながら阿波野君を見ます、今も。
「この子も頑張ってるしね」
「今はその時じゃないってだけね」
「けれどちっちの結婚って早いでしょうね」
「二十四か五位?」
「それ位になりそうね」
「どういうことなの?」
結婚と言われて想像が出来ませんでした、そもそも。
それで私は皆に首を傾げさせて尋ねました。
「私が結婚って。したいけれど」
「まだまだ先っていうんでしょ」
「確かにまだ高校卒業したばかりだし」
「相当先のことよね」
「ええ、それで二十四か五って」
結構具体的な年齢なので余計にわかりませんでした。
「どういうことなのよ」
「だからね、結婚する年齢よ」
「ちっちはそれ位でしょ」
「まあ遅くなるかも知れないけれどね」
「多少は」
「けれどそれ位になると思うわ」
「ちっちが大学を卒業してね」
入学が決定している天理大学をというのです。
「それからね」
「相手の子も大学に行って」
「その子が卒業してね」
「その子って誰よ。年下の子とかいうの?」
ふとそう思いました。
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