暁 〜小説投稿サイト〜
幻の月は空に輝く
新たな決意は修行を頑張ろう
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葉の里バージョンだったりする。結構な力作で、旗は日の丸じゃなくて木ノ葉とうずまきのマークだったりする。
 慣れた手つきで風呂敷を解き、テンと二人で取り皿と箸の用意をしながら、私から手渡された手ぬぐいで手の汚れをしっかりと拭き取る。この辺りは私が口うるさく言っていた成果なのか、何も言わなくても拭くようになった。

「無駄に手の込んだ弁当だな」
 冷めた眼差しのおまけ付き。
 とは言っても、ナルトだと然程珍しくもない対応。

「ナルトに食べさせるからな」

 私だけが食べるんだったら、こんなに手間なんかかけないよ。
 そう思って言ってみれば、ナルトは唖然としたように口をポカンと開いた後、何でか風呂敷を広げるようにして私に投げつけた。
 チャクラを練りこんでないから、空気の壁に阻まれてふわりと私の顔を覆い隠すように頭上から降ってくる。これにチャクラを練りこまれようものなら、顔面直撃だっただろうなぁ……。
 まぁ、やらないだけナルトとの距離は縮まったんだと思っておこう。
 
 色鮮やかな風呂敷を右手で払いのけるように持ち上げ、視界を確保する。んだけど、何故か見えるのはナルトとテンの後姿。

 何だ。
 今日はツンの日か?
 ナルトの場合はデレが判りにくいというか殆ど無いけど、今日のツンは言葉じゃなくて顔すら見せないツンか??
 ひょっとして、はぐはぐと食べてる姿を時々微笑ましげに見てたんだけど、それに気づかれたかなぁ…。
 それなら、今日の態度は納得なんだけどね。
 まぁ…食べてくれてるなら良しとしておこう。そんなわけで、私もお弁当を取り出して食べ始める。一応私もちょっとしたお子様ランチっぽくはなってるんだけどね。ナルトやテンのお弁当ほど気合は入ってない。
 寧ろ、自分が食べるお弁当に旗はたてたくはないんだけど、旗を立てておかないとナルトからの突込みが入りそうだからという理由で、狐マークの旗を控えめに立てたりしてたりとかね。

 味付けは大丈夫。
 最近は慣れてきたからなのか、お母さんの手を借りなくても大体作れるようになってきた。お父さんのお弁当も作ってるのが功を奏したのか、私専用の小さなフライパンや鍋やおたまやフライ返しや色々作ってくれたのも大きいのかもしれない。
 大人用のフライパンだと、この小さな体じゃ結構辛いしね。
 ぱくぱくと然程大きくも無いお弁当を食べ終わり、用意してあったデザートをナルトとテンに手渡す。今日はトマトのデザート。
 ちょっと興味があって作り出したんだけどね。好き嫌いがはっきり分かれるんだよね。なのでいつもは手渡したら自分のを食べだしちゃうんだけど、今日は嫌いだったら困るから一口味見で食べてもらう。

「何これ?」

「トマトのデザート」

「トマトってデザートになんの?」
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