第二部 黒いガンダム
第五章 フランクリン・ビダン
第一節 救出 第一話(通算81話)
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「あと何人人質がいるのかをまず知る必要があります」
カミーユやランバンが《アーガマ》に乗艦していることは知られていないと考えたかったが、民間人が多数入り込むエゥーゴにとって防諜はできるものではない。作戦の隠密性は非公開と実施速度によって保たれているに過ぎなかった。つまり――
「カミーユとランバンの両親も人質になっている可能性があります」
それがエマの考えだった。
カミーユの両親も〈グリーンノア〉におり、ティターンズの技術士官の待遇であるとはいえ、民間からの出向の身である。
ランバンの父親は、正確には軍属ではないが、コロラドサーボ社グリーンノア工場の工場長である。
コロラドサーボ社は戦後、オーガスタ系と呼ばれるジム系のマイナーバージョンアップを一手に引き受け、ヴィックウェリントン社、アナハイム・エレクトロニクス社と並んで軍需産業の一角をなしている。特にティターンズとの繋がりが強く、サイド7の復興にいち早く工場を設立するなどしていた。モデルチェンジに積極的ではないヴィックウェリントン社に対して、戦中からバリエーション機を手掛けていたコロラドサーボ社はアドバンテージを持っていた。しかし、戦後になってジオニック社やツィマッド社の協力で開発力を培ってきたアナハイム・エレクトロニクス社が追い上げてきている。特に光学センサーや照準システムなどではアナハイム・エレクトロニクス社が群を抜いており、スナイパー仕様のカスタム機や特務仕様などはアナハイム・エレクトロニクス社に軍配が上がっていた。
現在連邦で使用されているMSの殆どがジムの系譜を踏むのだが、戦後の開発ラッシュの割に制式採用されたMSは少ない。その内、コロラドサーボ社製のMSは三種だ。
RGM―79N《ジムカスタム》
RGM―79Q《ジムクゥエル》
RGC―83《ジムキャノンU》
当初《ジムカスタム》と《ジムキャノンU》はジョン・コーウェン指揮下の特殊作戦部隊群に採用され、その後地球軌道艦隊にも配備された。だが、地球軌道艦隊所属の全MSではなく、あくまで一部である。
残る《ジムクゥエル》は、《ジムカスタム》をベースに暴徒鎮圧用として対人兵器を搭載したティターンズ専用の機体であり、ほぼ《ジムカスタム》と同じMSと言える。これらオーガスタ系と呼ばれるMSは全て、ジャブローに避難していたオーガスタ兵器開発局とコロラドサーボ社が共同で開発したRX―79《ガンダムアレックス》を祖としていた。《ガンダム》のセカンドロット(第二期生産分)とも言われる試作型である。
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