外伝〜連合の思惑〜前篇
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たに現れたペルソアティス達やヴァリアントを目にしたレリウス中佐を含めたブリッジにいる軍人達が信じられない表情を浮かべたり絶望を感じたりしている中、周囲の軍人達のように目を見開いて絶句していたヴァンダイク元帥は我に返って重々しい様子を纏って呟くと同時にある判断を決断し、その判断の実行の為に新たな指示を出そうとしたその時、通信機に反応があった。
「報告!導力通信がこちらに向けられています!相手は………クロスベル帝国軍です!」
「!すぐに繋いでくれ。」
通信士を務めている軍人の報告を聞いたヴァンダイク元帥が指示を出すと映像端末にエルミナが映った。
「貴女は確か……”六銃士”の一人にして、クロスベル帝国皇妃の一人のエルミナ皇妃でよろしかったですか?」
「ええ。そちらはエレボニア帝国軍の最高司令官を務めているヴァンダイク名誉元帥――――――失礼。ヴァンダイク元帥でしたね。お互い顔と名前を把握しているようですから自己紹介は省いて、早速本題に入らせてもらいます。――――――貴方達が今から実行しようとしているノルティア州の奪還の為の侵攻作戦を中止するのならば連合は貴方達に対する攻撃を中止し、撤退時の追撃もしません。」
「それはこちらとしてもありがたい申し出ですが……そちらの戦力は圧倒的であるにも関わらず、”降伏勧告”ではなく、”撤退勧告”を行った理由を教えて頂きたいのですが?」
エルミナの要求に対して静かな表情で答えたヴァンダイク元帥はエルミナに問いかけた。
「貴方達も既に把握しているでしょうが、貴方達と同じエレボニア帝国に所属している者達――――――”ヴァイスラント新生軍”に加えてエレボニア皇家の一員でもあったアルフィン皇女が私達メンフィル・クロスベル連合と協力関係を結んでいる上、私の伴侶でもあるヴァイスハイト陛下は”四大名門”の一角である”カイエン公爵家”の長女を第一側妃として迎えています。その為連合としても彼らに対する”ある程度の配慮”をする必要がありますので、こうして”撤退勧告”を行ったという事です。」
「……なるほど。我らと袂を分けて連合についたヴァイスラント新生軍や自らの信念の為に祖国と戦う覚悟をされた皇女殿下の存在によって生かされるとは皮肉な話じゃな……」
「元帥閣下……」
エルミナの説明を聞いて納得したヴァンダイク元帥は重々しい様子を纏って呟き、ヴァンダイク元帥の様子をレリウス中佐は複雑そうな表情で見守っていた。
「それで?返答は戦闘の続行ですか?それとも撤退ですか?」
「……敵国によって不当に占領されたノルティア州を目の前に撤退する事はエレボニア帝国軍の最高司令官として恥ではあるが、今は撤退させて頂く。――――――いずれ、貴女達メンフィル・クロスベル連合との雌
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