第六百三話 途中のカレーその十
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「連合のリサイクル技術は凄いですね」
「そうですか」
「はい、もう何でも再利用出来て」
そしてというのだ。
「同じ資源を何度も何度も使いますね」
「無駄にしていたら資源はなくなりますから」
「左様ですね」
「幾ら宇宙には物凄い資源があっても」
トムは真面目な顔で話した。
「無駄使いをしますと」
「すぐになくなりますね」
「エウロパみたいに」
トムも連合の者なのでエウロパについては批判的である、それで彼もエウロパは枕詞の様に攻撃するのだ。
「それこそ」
「エウロパですか」
「あそこは無駄使いばかりしていますよね」
連合特有のエウロパへの偏見から話した。
「そうですよね」
「それは」
店員はこう言った。
「あちらもです」
「リサイクルありますか」
「ええ、私十年前あっちにいたんですが」
それでもというのだ。
「あちらもです」
「リサイクルはですか」
「いいですよ」
そうだというのだ。
「確かに技術的にはです」
「連合よりもですか」
「遥かに劣りますけれど」
それでもというのです。
「頑張ってるんですよ」
「そうですか」
「貴族の人達も」
連合市民が目の敵にしている彼等もというのだ。
「節約に励んでいて」
「リサイクルもですか」
「むしろ率先して」
そしてというのだ。
「頑張っています」
「そうですか」
「この目で見ましたから。ただ」
「ただっていいますと」
「エウロパのそのお話は信じないですね」
「はい、どうも」
トムは店員に正直に答えた。
「信じられないです」
「連合の方はそうですね、エウロパのいいお話は」
「どう聞いても」
どんな話題でもだ。
「信じられないです」
「そうですよね」
「もう千年の間仲が悪くて」
「悪いお話ばかり聞いていて」
「はい」
それでというのだ。
「どうしてもです」
「信じられないですね」
「もうエウロパ特に貴族は」
「贅沢の限りを尽くしていて」
「リサイクルなんか」
それこそというのだ、兎に角連合ではエウロパ特にその支配階級である貴族は悪の権化であるのだ。
「もうです」
「それこそですね」
「考えもしない」
「そうした人達とですね」
「考えています」
「環境破壊も」
メアリーも言った。
「もうです」
「したい放題ですね」
「その負担は平民の人達に押し付けて」
「そしてその平民の人達もですね」
「はい」
メアリーは正直に答えた。
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