第六百三話 途中のカレーその八
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「日本風にしているから」
「そうしたカレーなんですね」
「そっちの味だから」
「そのカレーを食べることをですね」
「前以てわかっていてね」
「はい」
トムは店の人のその言葉に頷いた。
「わかりました」
「そういうことでね、それじゃあね」
「今からですね」
「食べてね」
「わかりました」
トムも頷いてだった。
実際にメアリーそしてシッドと共にカレーを買った、安くてボリュームがあり白い皿の上に並々として盛られていた。
そのカレーを食べるとだった、トムは目を丸くして言った。
「辛い、けれど」
「美味しいわね」
「これはかなりね」
「うん、そして水牛も」
カレーの中のこの生きものの肉もというのだ。
「柔らかくて」
「ええ、牛肉に似た味だけれど」
「また別の味でね」
「これはこれでね」
「美味しいよ」
「そうだね」
トムは二人に応えた。
「水牛のカレーもいいね」
「ええ、それでこのカレーは」
メアリーはそのカレーの話をさらにした。
「実際に日本風ね」
「そうだね」
トムも頷いて答えた。
「人参や玉葱も入っていて」
「ジャガイモもね」
「切り方もそうで」
「ルーの感じもね」
「日本風で」
「ご飯へのルーのかけ方も」
「全部ね」
まさにというのだ。
「日本風ね」
「そうだね」
「このカレーは」
「よく再現されているね」
「うん、マウリアのカリーじゃなくて」
シッドも言うことだった。
「これはね」
「完全にだね」
「日本のカレーだよ」
「辛さもね」
「マウリアのカリーの辛さはね」
「あれは何十種類のスパイスを調合してで」
「また別だからね」
独特のものがあるというのだ。
「それとは違うから」
「そもそもカレーは完全に日本のお料理でしょ」
エミリーはこう言った。
「最早」
「そうなんだよね」
「そうなっているから」
それ故にというのだ。
「もうね」
「日本から連合中に広まったね」
トムはエミリーに応えた。
「そうなったね」
「ええ、カナダにもね」
「伝わって」
日本からだ。
「それでね」
「連合中に定着しているから」
「日本の料理だね」
「そう言っていいわよ」
「そうだね」
「それでね」
エミリーはカレーを食べつつさらに言った。
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