第六百三話 途中のカレーその七
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「水牛じゃないからね」
「いいんだね」
「食べてもね」
「それは面白いね」
「うん、水牛はよくて」
それでというのだ。
「牛肉は駄目なんだ」
「じゃあ水牛のカレーとか」
「それも有り得るね」
「水牛ね」
「連合でも食べてるけれどね、水牛は」
「結構メジャーだしね」
家畜としてもだ。
「それでだから」
「水牛のカレーだったら」
メアリーは期待する感じで言った。
「面白そうね」
「そちらも美味しそうだね」
「ええ」
従弟のその言葉にも頷いた。
「若しそうならね」
「食べてみたいね」
「じゃああのお店にね」
「今から行こう」
三人でと話してだった。
実際に三人でそのカレーの出店に行った、そうしてそのうえでカレーのことを聞くと店をやっている大学生はたどたどしい感じの連合の公用語である銀河語で答えた。
「水牛のカレーだよ」
「水牛ですか」
「そう、うちのカレーはね」
こうトムに答えた。
「そうなんだ」
「そうなんですね、実は」
トムは店の人に話した。
「水牛のカレーならいいって」
「思っていたんだ」
「はい、実は」
「それは好都合だね、水牛はね」
店の人は自分から話した。
「マウリアでも食べていいから」
「そうですよね」
「牛肉を食べることなんて」
このことはというと。
「もう何があってもね」
「許されないですね」
「神様の使いだから」
それ故にというのだ。
「その中には沢山の神様が宿っているから」
「食べることはですね」
「絶対に駄目だから」
「ビーフカレーはなしですね」
「マウリアではね」
そしてマウリア人が作るものではというのだ。
「ないよ」
「そうですよね」
「けれど水牛はいいから」
「牛は駄目でも」
「同じ偶蹄目で」
尚馬は奇蹄目である。
「そして牛の仲間でもね」
「水牛はいいんですね」
「あくまで牛だから」
ヒンズー教で神聖とされる生きものはだ。
「だからね、水牛はね」
「食べてよくて」
「それでだよ」
「カレーに入れてもいいんですね」
「そうなんだ、あとこれはカレーで」
カリーではなくというのだ。
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