TURN48 騎士提督参入その二
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「ドクツの中心に入りましょう」
「その時には本国からもだね」
「パリからそのままベネルクスを解放しながらです」
そのうえでだというのだ。
「ドクツ本土に入りましょう」
「そこまで何とか進めないとね」
「ガメリカも中帝国もソビエトも我々を一切助けません」
三国共最初からそんな気は毛頭なかった。同盟を結んでいるとはいえエイリスの衰退、あわよくば滅亡を望んでいる位だ。
「我々だけでやるしかありません」
「辛い状況なんだね」
「今はエイリス建国以来の国難の中にあります」
セーラ自身が最もよくわかっていた。このことは。
だからこそこう言いだ。そしてだった。
セーラは玉座に座りながら毅然として顔を上げた。そのうえでそこにいる全ての者に告げた。
「我々はスエズからドクツに対して反攻を行います」
「そしてですね」
「ドクツに勝利を収めます」
先程述べた作戦の通りに進めてだというのだ。
「万難を排して勝利を掴みましょう」
「よし、じゃあ早速な」
「私達はスエズに向かいます」
イギリス兄妹がすぐに応える。
「本国は任せたぜ」
「あちらはお任せ下さい」
こう話して二人はエイリスに残された数少ない予備戦力を率いてスエズに向かった。イギリスにとっては戻ったと言っていい。
その彼等を見送ってからだった。セーラは港において共にいる母に対してこんなことを言った。
「祖国殿も妹殿も」
「ええ。必死に頑張ってくれてるわね」
「我がエイリスの為に」
「それにね」
「それに?」
「セーラちゃんの為にもね」
エルザは娘の顔を見て微笑んで話す。
「頑張ってくれてるわね」
「私の為にも」
「そうよ。祖国さんも妹さんもセーラちゃんが大好きなのよ」
実際に二人はセーラが生まれた頃から共にいる。そして何かと世話も焼いてきてきた。イギリスも彼女には素直だったのだ。
そのことを思い出してだ。セーラは今こう言うのだった。
「私を。いつもでしたね」
「私もよ。祖国さんには物心ついた時から優しくしてもらったわ」
「お母様もだったのですね」
「代々の女王がね。祖国さんには助けてもらってるわ」
「そして私もですか」
「そうなるわ。そして祖国さんはね」
彼、イギリスはどうかともいう話になる。
「そのことを喜びに思ってもね」
「それでもなのですね」
「苦しいとか負担には思わないのよ」
イギリス妹もそれは同じだ。
「私達の為なら本当に命を賭けてくれるわ」
「そうした方々なのですね」
「持つべきものは祖国よ」
こうまで言うエルザだった。その顔を微笑まさせて。
そのうえでセーラにこんなことも話した。
「私達は確かに今とても辛いわ」
「はい」
「敵は枢軸国だけじゃないし」
言うまでもな
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