第七十一話 天空城
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です」
案内の先に辿り着いたのは、広く暗い空間だった。
篝火が灯っているのに、それが意味をなさないほど肌寒く、落ちれば飲み込まれてしまいそうなほどぽっかりと空いた黒い穴の上に私達は立っている。
私は一度似たような場所に来たことがある。
目の前の光景は、あのどことも知れぬ空間を私に思い起こさせた。
ただ違うのはあの空間では何も感じることが出来なかった。
それが空間独自のものなのか、それとも私が生きているのかの違いかまではわからないけど。
「あの祭壇が門なの?」
レックスの言葉通り篝火の先には祭壇があって、かつて天空の塔で見たのと似たような作りをそれはしている。
「ええ、その通りです。ではみなさんその祭壇の上に乗ってください」
私達全員が祭壇の上に乗った事を確認すると、プサンも祭壇に乗り手を翳す。
するとビアンカがかつて放ったのによく似た青緑の光が祭壇から放たれた。
それと同時に少しずつ祭壇が浮かび上がる。
そして私達が言葉を発するまでもなく、急速に祭壇は穴の中へと落ちていった。
現実の認識すら曖昧になり言葉が出ない。
しばらくして青い光が私の周囲に満ちた……と思ったら急にぼやけていた現実が鮮明になった。
「お気づきになられましたか、みなさん。ここが天空城です」
あたりを見渡すとそこは紛れもない城だった。
ただひたすらに青一面の空間にある城。
ほんとうに私達は天空城に到達したんだ。
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