心象変化
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舞い降りた天使は、響たちを無視してそう報告した。バングレイは「ハッ」と頷いた。
「バリいい世界だぜ。食い物はうめえし、生き物はいたぶりがいもあるし」
「悪趣味なマスターだ」
天使は鼻を鳴らし、ようやく響とビーストに向き直った。彼はしばらく響たちを睨み、結論付けた。
「彼らが、以前貴様が言っていた聖杯戦争の敵か?」
「みたいだぜ? おまけに一人は、前に言った俺の目的の物も持っていやがる。お前も狩るか?」
バングレイの言葉に、天使は目を細めた。
「私に命令したいのであれば、令呪を使え。それはそのためのものだ」
「はっ! それもそうだな。だったら……」
バングレイは右手の令呪を見せる。だが、しばらく天使を見つめた彼は「いや」と切り出す。
「やっぱりこいつらは俺の獲物だ。俺が狩るぜ」
バングレイは令呪の手でバリブレイドを握る。前に出ようとしたところで、天使が彼の肩を掴んだ。
「まあ待て。そう結論を急ぐこともない」
天使はゆっくりと響とビーストを見定める。
「どうだろう。もう少し、この狩場を観察した方が良くないか?」
「はあ?」
天使の言葉にバングレイは反対した。
「何でだよ? 今狩る方がバリ面白いのによお?」
「今狩ってしまってもいいのか? ベルセルクを狩る楽しみがなくなるぞ?」
天使の発言に、バングレイは「むう……」と自制した。
「確かにな。ベルセルクの力を、今度はしっかりと狩るのもまた面白そうだ」
「そう。それに、貴様の目的はあれそのものではないのだろう?」
「それもそうだな」
バングレイは頷き、響とビーストへ剣を向ける。
「いいぜ。ベルセルクの剣は、今はお前に預けておいてやる。せいぜい使いこなしてから、俺を楽しませるんだな」
「ま、待って!」
そのまま響に背を向けて去ろうとするバングレイ。彼を追おうとするも、全身が重く、変身が解除されてしまった。
生身のまま倒れ込み、ビーストに抱えられる。変身解除したコウスケが、バングレイに続いて去ろうとする天使へ怒鳴った。
「おい! お前ら、一体なんなんだ!? 響のあの力を欲しがってるみてえだけど、何が目的なんだ!?」
「私はただ、サーヴァントとしてマスターに従っているだけだ。目的など、私にはない」
天使は吐き捨てる。
「何しろ私はマスターには忠実なる僕なのだからな。貴様たちの価値など、もはやマスターの狩りの対象になることしかない」
「んだと!?」
「狩りって……」
響は重い首を上げた。
「どうして……? 貴方たちが何者でも、私たちには互いに通じる言葉がある! どうして、相手を狩りの目線でしか見れないの? 手を取り合うことだってできるはず
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