心象変化
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「これって……どうなってるの? この姿……もしかして、心象変化?」
「は、はは! ハハハハハハハ!」
響が戸惑っている間にも、バングレイが笑い声をあげていた。
「すげえ! コイツはすげえ! バリすげえ! これがベルセルクの……オーパーツの力か!」
バングレイはバリブレイドをバンバンと叩く。
「あの力の一端でこれか! これが全部手に入れば、一体どれだけの力が手に入るんだ!?」
バングレイはもう響しか目に入っていない。襲い掛かろうとするバングレイに身構えると、頭の中にその名前が浮かんだ。
___サンダースラッシュ___
頭の中の声に従い、響は手短に雷の剣を振り下ろす。すると、発生した衝撃が雷となり、バングレイへ真っすぐ飛んでいく。
「ぎゃっ!」
命中したバングレイは、悲鳴とともに焼き焦がされる。青いボディよりも黒ずんだ方が多くなった状態で、バングレイは膝を折る。
「へ、へへ……やるじゃねえか。これから狩る力を思えばむしろ好ましいぜ!」
バングレイは左手の鎌を使って立ち直った。
「さあて、どうやって狩るかな……ん?」
再び挑もうとするバングレイは、何かの異変に気付き、動きを止めた。
自然という静寂の中、それは現れた。
「……何だ?」
「羽根?」
白く清廉なる羽根。まるで白い鳥が飛び去った後のように、白い羽根がどこからともなく降り注いでくる。それはゆっくりと響とビーストの周囲に落ちていく。
「何、これ……?」
響の手のひらに乗る、重さのない物体。優しい気配のそれは、次から次へとその姿を現していく。
「おい、響。なんか、これ怪しくねえか?」
「うん。私もなんか……嫌な予感……」
響がそう言った瞬間、それは現実となった。
触れる羽根たちが痛みを放つ。響とビーストの全身から火花が散る。痛みで地面を転がってから初めて、それが羽根によって受けたダメージだと分かった。
「何、これ!?」
「オレが分かるわけねえだろ!」
「何だ、もう戻ってきやがったか」
ただ一人、バングレイだけが愉悦の表情を浮かべている。
「俺のサーヴァントが……!」
「バングレイの……サーヴァント……!」
天空より降臨した、神々しい光。太陽よりゆっくりと、それはバングレイとの間に着地した。
「フフフ……」
後光により見えなくなっていた姿が、だんだんはっきりしてくる。黒いボディと、全身に走る青い血管。胸に金色のパーツが取り付けられており、より神々しさを際立たせている。そして何より、その背中から生える四本の翼が、それをあたかも天使のように見立てさせていた。
「バングレイ。中々に面白い世界だったぞ」
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