心象変化
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
え……いい記憶じゃねえの」
バングレイがそう言いながら右手を見下ろしている。
響はビーストを助け起こしながら、バングレイを警戒する。
「コウスケさん、大丈夫?」
「あ、あれ? 大丈夫だ」
ビーストは自分の体を見下ろしている。ペタペタと触って、異常がないことを確認している。
「ああ。なんともねえ。あいつ、攻撃ミスったのか?」
「……」
響はバングレイを警戒しながら、再び地面を蹴る。ガングニールの強化された瞬発力で、一気にバングレイとの距離を詰める。
「だああああああ!」
だが、響の拳は、バングレイの達人と見紛う動きにより回避される。それどころか、響の頭にまで、バングレイの腕が伸びる。
「うわっ!」
バングレイに捕まれ、適当に投げられる。
着地した響は、そのままバングレイを警戒した。
「なるほどねえ。コイツもバリ面白れぇ記憶だ」
「何を言っているの……?」
「こういうことだ!」
バングレイは右手を掲げた。すると、そこから水色の粒子が散布され、人の形を作っていく。それを見た響とビーストは絶句した。
その反応はまさにバングレイの期待通りだったようで、四つの目が笑みを含んでいる。
「そうそう、そういう顔が見たかったんだよ」
それは、以前見滝原を恐怖に落とした聖杯戦争の参加者。
黒く、長い髪と赤い目の女性と、大きく歪められた指輪の魔法使い。
アカメとアナザーウィザード。
「あの二人……!」
「この前戦った奴らだよな? まさかアイツ、蘇らせたっていうのか?」
その時、響は前回博物館の戦いの後、ハルトと話したことを思い出した。
あの時もハルトは、以前倒したファントムが現れたと言っていた。
そして響は、その結論を口にする。
「記憶の再生……」
バングレイの答えは、ニヤリと笑む表情だった。それを響が肯定と受け取ったと同時に、バングレイは命令を下す。
「殺れ!」
それに従い、アカメとアナザーウィザードは同時に響たちに襲い掛かる。
「からくりの分析は後だ! 今は、こいつ等をなんとかしねえと!」
「う、うん!」
ビーストはアナザーウィザードを、響はアカメと戦闘に入る。
以前少しだけ関わったときと比べて、少し力量は落ちている。だが、それでも彼女の力が脅威であることに変わりはない。
素早いその動きに、響は反撃ができないでいた。
___カラダ、ヨコセ___
「うっ!」
途端に、響は、心臓部分をおさえる。頭の中に響く何者かの声に、平常心が乱されてしまった。そのせいでアカメから目を離し、ガングニールの拳で防ぐことになった。
「しまった……!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ