第三章 リベン珠
第30話 旅の終りと破壊の神:後編
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は留まらないのである。
神に呼び掛けた次の瞬間、勇美の目の前に機械の塊が現れ、そして二柱の神の力はそこに取り込まれていった。
そう、これこそが勇美の真骨頂なのである。そして、さすがの純狐とて今まで見た事のないその芸当に驚くのだった。
「これがクラウンピースから聞いた、黒銀勇美の力……」
「そういう事です。そして……」
言うと勇美は両手を目の前に翳しながら、スペル名を宣言するのだった。
「【鏡符「光すら吸い込むブラックミラー」】」
その宣言後、勇美の眼前に現れたのは名前の通りに表面を真っ黒に塗りたくられた不気味な鏡であった。黒い鏡などあるか分からないが、取り敢えず勇美の前に現れたのはそのような代物であったのだ。
そして、現れた黒い鏡はまるでブラックホールのように純狐が放った光をその鏡面に吸い込んでしまっていったのだった。正に、それは光でさえも引き込んでしまうブラックホールの性質そのものである。
このような規格外の芸当を見せ付けられても、当の純狐の方は至って冷静であったのだ。さすがは常識では計れない領域に生きる『神』ならではと言えるのかも知れない。
それどころか、純狐の振る舞いはどこか楽しそうなものを感じさせる程のものとなっていくのだった。
「いいですねあなた。こっちも楽しくなってくるというものですよ」
その言葉に嘘偽りの類いはないようである。彼女は勇美との戦いで『楽しさ』というのを感じていっているのだろう。
高揚するその気持ちのままに、純狐は次なる手に出ようとする。
「今のスペルは防がれましたけど、次に行かせてもらうわ! 【殺意の百合】!」
純狐の次なる宣言が行われると、彼女の両手に無数の白い花びらのようなエネルギーが集まってきた。それは、その成分自体は先程の掌の純光と同じかのようである。
だが、徹底的に違うのはその数であろう。掌の純光は一本のレーザーであったのに対し、今回のは無数に舞う花びら状の光なのだから。
その事から、勇美は一つの結論を出した。
「まずいですね……」
「ええ」
その答えには鈴仙も納得する所であったのだ。理由は、先程の直線上の光ならばこのブラックミラーで吸い込む事は出来るのだが、今のように無数に舞う形ともなればそうはいかないのは明白であったからだ。
なので、勇美は一先ずこのブラックミラーの解除を行うのだった。
「ふう……さてどうしたものかな?」
勇美はそう呟くのだった。恐らく今回の攻撃も、先程のように強烈なものとなるだろう。何せ彼女の放つ攻撃の重みは今までにでもほとんど体感出来ない程の代物だったからである。
だが、今回は光を散りばめた事により一つ一つの威力は純光よりも劣るはず。そこに勇美は勝機を見出だしたのであった。
「さあ、行きますよ」
その間に純狐の攻
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