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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第29話 旅の終りと破壊の神:前編
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在とこれから対峙するのだ。勇美の心にはありありと焦燥感が募っていったのである。
「……これは手強い相手って事ですね。この事を知っていたならクラウンピースさんを人質にしておいたのに。『こいつはあずかった』って感じで」
「んなっ……?」
 緊張した空気の中で勇美にそんなふざけた事を言われて、さすがの純狐も思わず上擦った声を出してしまったようだ。
「私の友人の部下をドナルド扱いするのは止めなさいって。しかも、実際はカーネル・サンダースもそんな事は言ってないし」
 そして、気付けば思わずツッコんでしまっていたのだった。これには鈴仙も呆気に取られてしまっていた。
「あなたもノリがいいんですねぇ……」
「うっ……」
 やってしまった。つい相手のペースに乗せられてしまった。しかしもう時は遅かったのである、後悔先に立たずというものである。
 このように、場の張り詰めた空気は些か崩壊してしまったのだが、ここで勇美は再び真剣な心持ちで以って純狐を見据える。
 ──ここまでの話の流れから、この者が今回の事件の元凶であると考えて間違いないだろうと。そして、そうなれば今から始める事は一つである。
「何はともあれ、早く始めた方がいいですよね。『弾幕ごっこ』を」
 そう、それが互いの距離を縮める一番の手段なのである。それによる勝負に勝ってこそ、勇美達は目的を果たす事が出来るのである。
 その勇美の提案に、純狐はにやりと笑みを浮かべて言う。
「いいでしょう、その申し出、受けて立ちましょう。そして……」
 ここで純狐から放たれる気迫がより鋭くなった。
「不倶戴天の敵、嫦娥よ。見ているか? お前が出てくるまで、こいつらをいたぶり続けよう!」
「?」
 純狐から聞きなれない名前が挙げられ、勇美はそこで首を傾げた。一体誰だというのだろうかと。
 だが、この名前を挙げた純狐からは凄まじい憎悪が感じられたのだ。その者へ復讐心を抱いていると考えていいだろう。
 そこで勇美は思った。弾幕ごっこを利用して復讐を行うとは、些か穏やかではないのではないかと。
 しかし、彼女は断じて『弾幕ごっこは復讐の道具じゃない』とは考えなかったのだ。その思いは多少あれど、結論付けるには至らなかったのである。
 復讐心を抱く気持ち。その事は勇美にも実感出来るのであった。今では母親から離れて幻想郷で暮らせるようになった勇美だが、彼女から受けた痛みはこの先も決して流せる事はないのだから。
 それに、勇美自身も依姫の元で鍛錬を積んで幻想郷の者達と渡り合って行く事で自分なりの母親への復讐をしていったのである。故に彼女も『弾幕ごっこを自身の復讐に利用した』という点では同じなのである。そう、形は違えどやってきた事は純狐とは変わりはなかったという話なのだ。
 だからこそ、勇美はこの事だけは純狐
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