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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第28話 決戦の前の一時
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ける事だろう。なので鈴仙の答えは決まっていたのだった。
「いいでしょう。勇美さんにとっては中々経験出来ない事ですからね」
「分かってくれると嬉しいですね」
 自分の気持ちを察してくれる鈴仙に対して、勇美は有り難みを感じながら言った。そして、勇美はもう一つ重要な事を付け加えるのだった。
「それじゃあ、クラウンピースさんも一緒にどう?」
「えっ? あたいも?」
 その提案にクラウンピースは狐につままれたような心持ちとなるのだった。まさか、先程まで敵であった自分にまでお呼びが掛かるとは思ってもみなかったのだから。
 当然その事をクラウンピースは指摘しようとする。
「でも、あたいは……」
「それは言いっこなしだよ。さっきも言ったと思うけど、私は最後まで弾幕ごっこをしてくれた相手はみんな仲間だと思っているからね」
「勇美……」
 そのような事を言われて、クラウンピースは心なしか目頭が熱くなるかのようであった。
「それじゃあ決まりだね」
 勇美はそう言うと、携帯式のスキマからカメラと三脚台を取り出したのである。その行為を見ながら鈴仙は諦めと達観の境地の元言う。
「やっぱりそれ、何でもアリですねぇ」
「まあね、でもそれは言いっこナシですよ」
「それもそうですよねぇ……あはは」
 もうこうなってしまっては鈴仙は笑うしかないと、乾いた笑い声を出しながらやるせない気持ちとなるのだった。
「はい、チーズ」
「はい、はい」
「あたいはクラウンピースなだけに、ピースしておくわね」
 と、紆余曲折あったものの三人は仲良く一緒に写真撮影に成功するのだった。

◇ ◇ ◇

 そして、勇美達から解放されてクラウンピースは自分の主達の元へと戻りながら独りごちていた。
「あの二人、仲が良いだけじゃなかった……。早くこの事をご主人様とご友人様に伝えないと……」
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