第三章 リベン珠
第28話 決戦の前の一時
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「ほお〜」
勇美のその意見に対して、クラウンピースは興味津々に聞き入っていた。それに気を良くした勇美は尚もハメを外す。
「それに、まだやった事はないんだけど、ノーパンで戦ったらさぞかし快感な事でしょうね。どれだけ開放的な気持ちで戦えるかって想像しただけでも心躍るよ♪」
「の、ノーパンで……」
その魅惑的なフレーズに、クラウンピースは喰らいつくのだった。未だ自分にとっては未踏の地への渇望に彼女は打ち震える気持ちとなる。
「何か、聞くだけで魅力的な響きだねぇ……」
「そうでしょう、そうでしょう。クラウンピースもタイツなんて着てたら一生味わえないと思うよ」
「でも、あたいがこのピエロ姿やめたら『クラウンピース』じゃなくなるよ。クラウンって『道化』の意味だし」
「それなら、改名してでも スカートを履けばいいと思うよ」
「成る程……」
クラウンピースは勇美のその案に『その手もあったか』と感心しながら聞いていた。これからは別に道化にこだわらなくてもいいのかも知れない。何たって『ノーパン』に近づけるスカートを履く事が出来るのだから、それに比べれば道化を捨てるのはリスクよりもリターンの方が大きいというものである。
このように、クラウンピースが彼女にとって一大決心をしようと画策している所に、この話を側で聞いていた者の介入があったのだ。
「って勇美さん、何を教えているんですか!?」
そう言うのは鈴仙であった。それと同時に彼女は勇美の頭部に無慈悲なチョップを喰らわせていたのである。
「な なにをする きさま!」
「『きさま』はいいとして、あなたは何を教えているのですか!?」
鈴仙の攻撃の痛みにうずくまりながらも、その質問に勇美はさも平然と言わんばかりにこうのたまう。
「何をって、スカートやノーパンの素晴しさを伝えているに決まっているでしょう? 鈴仙さんもスカートを履いている以上その魅力は分かるでしょう?」
「……私には断じてそのような趣味はありません」
どうやら、勇美の誘惑は鈴仙に通用しないようで、彼女は極めてきっぱりと言ってのけたのであった。
「と、茶番はここまでにしておこうね」
「茶番でノーパンなんて如何わしいものを勧めるなって」
鈴仙の手厳しいツッコミが入ったものの、ここで話は纏まったようだ。一先ず三人は洞窟の外へと出る事にしたのだった。
そうして洞窟の外へ出た所で、勇美はこんな提案をしてきたのである。
「あ、そうだ。折角ですから、ここで皆さんで記念撮影するというのはどうですか?」
その提案を聞いて、鈴仙は成る程と思うのであった。勇美は人生で初めて月面に降り立ったという経験をしたのだ。そして、そのような経験はほとんどの現代人ではそう巡り合う事の出来ない事なのだ。
故に今勇美がこうして心踊るというのも頷
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