第三章 リベン珠
第28話 決戦の前の一時
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る能力って事だよ」
「う〜ん、よく分かんないけど、要は『果汁100%ジュースにするような能力』って事かな?」
「いや、それてはちょっと違うような」
「そもそも勇美さん、果汁100%の表記は本当に果汁だけではないんですよ」
「えっ、そうなの?」
二人に総駄目出しをされて、軽く勇美は凹みそうになった。そして、今明かされた『果汁100%』の事実に驚愕するのだった。
「まあ、何だ……」
ここで勇美は気持ちを整理するのだった。未だに果汁100%が本当の100%である事実を受け止める事が出来ないでいたが。
「これから、クラウンピースさんはどうするの?」
それが問題であろう。勇美達が勝った以上、現状を維持するという事はクラウンピースには出来ないのだから。
それに対して彼女はさらりと言ってのける。
「うん、勿論私達妖精は今の状態から引かせてもらうよ」
「えっ!?」
いともあっさりとクラウンピースが言うものだから、勇美は呆気に取られてしまったのであった。いくら何でも、月の都を侵略しようとした一味の対応としては些か潔すぎではないだろうか。
当然勇美はその旨をクラウンピースに伝えると、彼女はこう答えるのだった。
「だって、あたいは『弾幕ごっこ』に負けたんだよ。だったらそのルールに従うまでだよ」
そう当然のように答えるクラウンピースに、またも勇美は驚いてしまう。そして、とても喜ばしい気持ちとなるのであった。
どうやらその気持ちが顔に出てしまっていたようだ。その事をクラウンピースに指摘される。
「何よあなた、ニヤニヤして気持ち悪い……」
『気持ち悪い』等と面と向かって言われたら、大体の場合は気分が凹んだりメンタルにダメージを負ったりしてしまうものだろう。だが、今の勇美の心はそれすらものともしない程高揚していたのだった。
「あ、ごめんね。でも嬉しくって♪」
「何がよ」
勇美の話の要点が掴めずに、クラウンピースは首を傾げるしかない。そんな彼女の為に勇美はこう答える。
「私は弾幕ごっこはわだかまりを無くして分かり会える手段だと思っているからね。言うなれば、弾幕ごっこに最後まで従ってくれる人達はみんな仲間だって思える位だからね」
その言葉には、暗に『最後まで弾幕ごっこに従ってくれない者は仲間とは呼べない』という言外のメッセージが籠められている事に鈴仙は鋭く気付いたが、その事をクラウンピースが知る由は無かったのである。
だが、その真意は知らずとも、勇美にそう言われてクラウンピースは悪い気はしないのであった。
「『仲間』か……。そう言われると嫌な気持ちはしないわね」
「そうでしょう、そうでしょう」
こうしてクラウンピースから同意を得られて、ますます勇美の気持ちは昂っていくのである。
「まあ、取り敢えずこの洞窟から出
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