第27話 ダサかっこいい的な何か:後編
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隙が出来てしまった。だが、それにも勇美は油断する事なく次の手に出る事とする。
「【奪符「マシンジャッカー」】……」
そう言って勇美は、『天探女』の力を備わせたブラックカイザーに指令を下したのだ。
天探女……この神の力は一体どこから来たというのだろうか?
その答えは、月の都で何かとお世話をしてくれた、稀神サグメその人であった。
勇美は彼女に会った時から、サグメが神話で『あまのじゃく』の原型となった神、天探女だとすぐに気付いていたのだった。それは、依姫の神降ろしの力を借りて戦っていく内に身に付けた彼女の『眼力』のような見えない何かなのである。
そして、空いた時間で勇美はサグメに、その天宇探女の力を幾分か貸しては貰えないかと交渉していたのだ。今後の戦いにきっと役に立つだろうからと。
そして、今のこの状況からも判断出来るように、サグメはその申し出に対して快く引き受けてくれてこうして勇美が今その力を使えるに至っているという訳である。
このようにしてサグメの協力の下、勇美はこの勝負に蹴りを着ける為のスペル発動を行うのだった。
そして、彼女が何をしたのかはすぐに分かる事となるのである。その答えはクラウンピース自らの口から語られる事となる。
「まさかあなた……、『ミサイル』に……?」
「ご名答♪」
そのやり取りが示す事。それは勇美は先程のスペルによりフェイクアポロにハッキングし、そのコントロールをジャックしたという事であった。
そして、ミサイルの主導権を手にした勇美は、遠慮する事なくそれらの行き先をクラウンピースに向けたのだった。彼女は今、狂気の瞳の力により平衡感覚を失っているので、狙いを定めるのは容易であった。
「地獄で会おうぜベイベー♪」
「いや、あたい元々地獄の妖精……」
そう軽口で返すクラウンピースであったが、どうやらそれが彼女に出来る足掻きの限界であったようだ。
そして、勇美が操った三機のミサイルは次々にクラウンピースに着弾していき、一気に彼女は爆炎に包まれたのだった。
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