第27話 ダサかっこいい的な何か:後編
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ウンピースの周囲から、数本の水の束が回転しながら放出されたのだ。やはり、これも数本存在するが故に縞模様のような形状となっている。
そして、今彼女が行っている攻撃は水の束を回転させる事により、彼女を中心にして水の渦が生み出されているという寸法なのであった。
これにより、鈴仙にずぶ濡れにされた腹いせという事で、自分も勇美を水攻めにしようという算段なのであった。この時ほどクラウンピースは自分にも水の力を使うスペルが存在していたのに感謝した事は無かったのだ。
クラウンピースから放出される水の渦は、辺りの岩壁を満遍なく薙ぎ、そして足下は浸水してうまく身動きが出来なくなるだろう。
この水撃で敵にダメージを与えられたらラッキー、そうでなくても水の勢いで追い詰めた所を叩けばいい。クラウンピースの作戦にはまるで抜かりは存在しないのだった。
だが、彼女はまだ勇美の底力への理解が足りない状態なのであった。これで敵は手も足も出ないだろうと思われていた中で、その敵からのスペル宣言があるのだった。
「【渦符「鳴門海峡の名物」】」
その宣言と共に、何故か辺りを浸水していた水はみるみる内にその水かさを減らしていったのである。
「!?」
何事かと確認する為にクラウンピースは松明を翳して調べると、そこには驚くべき光景が繰り広げられていた。
何と、大量の水は生み出された渦に吸い込まれていって排出されてしまったのだった。例えるなら、排水溝の蓋を開けて浴槽の水を抜いたような状態であった。
これは、勇美が海神ネプチューンの力を借りて生み出した渦により出来た荒技なのだった。
そして、その快挙を成し遂げた勇美は得意気に言った。
「何とかうまく行きましたね。目には目を、渦には渦をって訳ですよ♪」
「くぬぅぅ……」
これにはクラウンピースは大いに悔しがった。『目には目を』これは正に今しがた彼女が鈴仙から受けた仕打ちを勇美に向けようとしていた事であった。それを逆にその理論で返される結果となってしまった訳だ。
だが、こうされてもクラウンピースは冷静であったのだ。ここまで来ると、彼女は妖精にあるまじきクレバーな思考の持ち主と言ってしまっていいだろう。
「でも、いいのかな? これであなたの姿も確認出来る事になったけど?」
そう得意気にクラウンピースは言ってけた。
そう、こうも勇美は派手に敵の攻撃を退けたのだ。それ故に敵にその存在を確認する好機を与えてしまったという訳でもあるのだ。
「へええ〜、ミニスカート丈の着物なんて地上では流行ってるんだ〜?」
言ってクラウンピースははっきりと確認出来るようになった勇美の出で立ちを見ながら興味津々に感想を述べる。
そんな舐めるように見て来るクラウンピースに負けじと勇美は言葉を返す。
「まあね。それはもう結
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