第三章 リベン珠
第26話 ダサかっこいい的な何か:前編
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呟くと、その者はクスリと笑みを零した後に続き、
「あの二人も地獄に立ち向かう覚悟を見せた事だし、こっちも『本場』の地獄ってモノを見せてあげないとね♪」
◇ ◇ ◇
洞窟内で鈴仙と解散した勇美は、今洞窟の中程まで向かった所である。ブラックカイザーの探知能力が敵の存在を察しているが為に、それをおびき出して迎え打つ算段である。
そうして、一旦敵との距離を十分に取った勇美は、物陰に隠れて一息つくのだった。
「やっぱり、こんな洞窟で一人で行動ってのは心細いものがあるよねぇ……」
そう独りごちながら勇美は些かこの作戦が良かったのかと顧みていた。だが、その思いを勇美は振り切る事にする。
「ううん、二人でこの作戦がベストだって決めたんだから、後はそれを信じるだけだよ」
勇美はそう自分自身に言い聞かせるように言葉を発した。
その後は、勇美は呼吸を整えて冷静になり、敵の動向を陰から伺っていた。
そして、敵の動向はすぐ分かる事となる。何故なら敵は手に持った松明で洞窟の中を照らしながら進んで来たのだから。
敵のその様子を見ながら勇美は思った、「ここは先手必勝だ」と。
思い立ったが吉日、彼女なすぐに行動に出る事にしたのだ。いつもの通り、プレアデスガンの出番である。
だが、今回は『いつも』とは様相が違うのであった。何せ切り札であるブラックカイザーを繰り出しているのだ。故に戦略の幅も広がるというものである。
その状況を勇美が活かして生み出した戦術が、プレアデスガンの二丁拳銃というものだったという事だ。
「いっけえ〜! 【星連弾「プレアデスツインブレット」】!!」
そう言うや否や、勇美は二丁拳銃装備のブラックカイザーに陰からの攻撃を命じたのである。それに応える形で、彼は両手の銃の引き金を引いていったのだった。
それにより、単純計算で普段の星弾よりも攻撃力が倍の射撃が行われていったのである。これには敵も堪ったものではなかったようだ。
「きゃっ!」
敵は避けきれない程の星々の弾を浴びて、思わず悲鳴をあげてしまった。この事から、敵は得体の知れない存在であろうとも、確かに攻撃は通用する事は窺えるのだった。
だが、今の攻撃で本格的に敵を怒らせてしまったのも事実だったようだ。
「……やったわね」
そう怒気を声に含ませながらその者は呟いていた。
そして、この瞬間勇美は敵の掲げる松明の明かりのお陰で、漸く謎のヴェールに包まれていた敵の外観をここで知る事が出来た。
その者は金髪で、背には半透明の羽根が存在していた。その事と数多の妖精に命令を下していた事から判断して、彼女も妖精……そしてそれらの首魁と考えられるだろう。
敵の種族はここで判明した。だが、勇美は他に彼女に対して目を引く要素を感じていたのだった。
それ
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