第三章 リベン珠
第26話 ダサかっこいい的な何か:前編
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る狂気の瞳の力を発動する。
勿論、彼女自身にではない。例によって鈴仙は、勇美の分身たるブラックカイザーの元で自身の力を発揮したのだった。
「【暗視「ルナティックナイトアイズ」】」
その力の名を勇美は宣言した。それによりブラックカイザーの元に鈴仙の力が反映される。
鈴仙が発動したのは、狂気の瞳による夜目の効果である。その効果をブラックカイザーのアイサンサーに投影したのだ。
それにより、ブラックカイザーには暗闇でも周りの様子がよく見える暗視の性能が付加されたのである。
勿論、その効果は本体である勇美にも反映されている。彼女自身の視界も今では暗闇でもよく見渡せている状態なのである。
そして、狂気の瞳の持ち主である鈴仙にも暗視の効果は当然現れている。つまり、今のこの場にいる二人は洞窟内における視界の心配は不要となっているとう事であった。
この選択肢を勇美が選んだのには理由があった。
それは、確かに敵のボスと思わしき存在は「私からは逃げられない」と言ったのだ。その事から勇美は、そのボスが自ら赴く事を予想したのであった。
そう、勇美はその存在と戦う事を選んだという事である。確かに敵の攻撃を避ける為にここまで逃げて来た訳だが、それは敵との戦いを放棄したという事ではなかったのだ。
そもそも、勇美は少なくともこの異変を解決するまでは逃げないと心に決めたのである。
勿論、避けられる戦いはするべきではないものだ。だが、今の状況では敵に背を向けて進めはしないと考えるのが妥当だろう。故に勇美の答えは決まっていたのだった。
だが、ここで勇美は謝っておかなければならないと思うのだった。それは他でもない、鈴仙に対してである。
「鈴仙さん、ごめんなさいね」
「何がですか?」
心当たりのない事を勇美から言われて、鈴仙は何事かと首を傾げる。
「それは、こうして今『私の決心』にあなたを巻き込んでしまっている事ですよ」
成る程、そう思って鈴仙は聞いていた。しかし、ここで彼女は首を横に振りながら言った。
「気にしないで下さい。この事は私の為にもなるのですから」
そう言って鈴仙は言い始めた。曰く、自分も今までのように逃げてばかりではいられないのだと。だからこうして今、敵に立ち向かおうと思うのだと。
「だから、寧ろ好都合という訳です。だから勇美さんは気に病む事はないという事ですよ」
「そう言ってもらえると有り難いですね。それじゃあ、私と地獄の果てまでお付き合い下さい♪」
「望む所です♪」
そう言って二人は微笑み合うと、敵を迎え打つ為に別々に動くべく、ここで解散するのだった。
その光景を見ながら、今この場所に侵入して来た者は思うのだった。
「あの二人、仲が良くていいなあ。まるで『ご主人様』と『ご友人様』みたいで」
そう
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