第三章 リベン珠
第26話 ダサかっこいい的な何か:前編
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だった。
勿論、遊んで欲しくてじゃれに来るような微笑ましい光景ではなかったのだった。彼女らは当然のようにエネルギー弾発射というおまけ付きの元飛んで来ていたのだから。
「来た!」
「そのようですね、これはまずいですよ!」
二人も今の状況が危機迫る事だという事はすぐに分かるのだった。彼女達はその攻撃をかわしながら、早急に対策を練るのだった。
応戦するにも、敵の数が余りにも多いのである。故にまともに正面から立ち向かうのはこの場合愚策と言えるだろう。
かと言って、このまま無視して目的の場所へ行ける程、今の猛攻は生ぬるいものではなかったのだった。
さてどうしたものか。そう考えている内に、特有の感覚に優れた長い耳を持つ鈴仙があるものを発見したのだった。彼女のその耳は決して飾りではないという事であろう。
「勇美さん、こっちです!」
「鈴仙さん?」
勇美を促す鈴仙に、一体どうしたのかと彼女は思いつつも、今はなりふり構わずに鈴仙に従うのが一番得策だろうと思い、深く考えずに勇美は従うのだった。
そうして勇美は促しながら走る鈴仙の後を必死に着いていったのである。
そして、気付けば二人は……谷に存在する洞窟の前に来ていたのだった。
「はあ……はあ……。また洞窟ですか」
「ええ、私としても芸がないとは思いますが、ここは格好の事は気にしていては元も子もなくなるでしょう」
「そうですよね。背に腹は変えられないって言いますしね」
この洞窟を今は避難場所として利用するしかない。些か先程から使い古したような手段であるとは思いつつも、二人はここを活用する選択肢を選ぶのだった。
「逃げに出たのね。でも、私からは逃げられないわよ」
洞窟の中へと向かった二人の背後から、そんな声が聞こえた。
◇ ◇ ◇
そして、二人は妖精達の攻撃をかい潜って洞窟の中へと一時避難をしたのだった。ここで体勢を立て直したり、敵の攻撃が止むのを待ったりという作戦を練る事が出来るだろう。
二人は一頻り洞窟の内部まで侵入したと感じた所で、勇美はここで切り札を切る事にしたのである。それは無論、今まで彼女達のピンチを幾度となく切り抜けさせて来た、ブラックカイザーその者であるのだ。
その力の発動の為に、勇美は皇跳流から譲り受けた友情の証、アバドンズジェネレーターを自分の分身たるマックスに取り込ませたのである。
そして、いつものようにマックスは頼もしい黒塗りの機械の騎士、ブラックカイザーへと変貌をしたのだった。
だが、今の状況を少しでも優位にする為にはこれでは足りないのである。ここで、勇美は頼りになる自分の仲間へと呼び掛ける。
「鈴仙さん、お願いします」
「はい、任されました♪」
勇美に言われた鈴仙は、お安いご用と言わんばかりに、彼女の持ち味であ
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