第三章 リベン珠
第24話 報告終了と一休み
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美と鈴仙の二人で使えるのだ。その気分はまるで貸し切り状態と言っていいだろう。
だが、それに加えて勇美には嬉しい事があったのである。
「それじゃあ鈴仙さん、一緒に堪能しましょうね♪」
そう、これだけの豪華絢爛の浴場を掛け替えない仲間である鈴仙と一緒に利用出来るのだった。故にその喜びは一入というものだろう。
勿論鈴仙の方も勇美に誘われて嫌な顔をせずに「ええ、そうしましょう」と快く言葉を返すのだった。
そうと決まった勇美は、この機会にやっておきたい事があるのだった。
「鈴仙さん、せっかくですから体の流しっこをしましょう♪」
「えっ、それは……」
勇美のその提案に鈴仙は少し引け目を感じてしまった。確かに自分達は今までの経験から絆の生まれた仲間ではある。しかし、そこまで踏み込むのはどうかと彼女は思うのであった。
だが、次に鈴仙はその躊躇いを捨てるのだった。まず今の勇美にはふざけた様子はなく真剣に望んでいる事、それに加えて鈴仙自身がその提案を心の中で望んでもいる事があるからであった。
今まで彼女は一人でやっていく方が気楽だと思っていた。それは半分は間違いではなかったのだが、もう半分はそれだけだと物寂しいものだと鈴仙は感じるようにもなっていたのである。
だから、こういう今の機会に思い切った事をしておくのも悪くない、そう思い鈴仙は勇美の望みに応えていくのだった。
そして、二人は互いに相手の体を洗い流していく、肌と肌の触れ合いをしていった。それは意外にも勇美の悪ノリは余り介入しなかったのだった。
しかし、全くなかった訳ではなく、「鈴仙さん、おっぱい揉んでいいですか?」の暴挙に対しては鈴仙は勿論やんわりと断ったのである。
互いの体を清め合った二人は、後のお楽しみの浴槽へとその身を浸したのである。今までで見たどの浴槽よりも大規模なそれに心の中で舌づつみを打つ勇美は勿論、このような普段は月の重役しか使えないような施設にありつけた事に鈴仙も感謝した。
湯船の質は申し分ない、と言うか自分はこれに対して分不相応とすら思えてくるのだった。
それは、従来の生真面目な性格の鈴仙では仕方のない事だろう。そして、その性分はそうそう変えられるものではなかったのである。
勿論鈴仙はその事も受け入れるのだった。それが自分らしさだと。
だが、一方でその事をあからさまに表に出して、喜ぶ勇美に対して水を指そうとも思わなかったのである。ここまで自分に着いて来てくれている仲間に対して、何より純粋な心の持ち主である勇美の事を大切に思うが故であった。
なので、鈴仙自身腹を括って今のこの自分には不釣合いとも言えるような待遇を甘んじて受ける心意気となっていたのだった。遠慮せずにこの状況を楽しむ姿勢を見せる事で、勇美の為にも、自分の為にもなると思っての事
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