第三章 リベン珠
第24話 報告終了と一休み
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「だってそうでしょう? あなたの頭は一旦冷やしておかないとどうなる事やらですからね、このノーパン愛好家が」
「あ、それもそうか」
と、ここで勇美は鈴仙の言い分に納得してしまうのであった。対して、『何故そうなる?』と鈴仙は訝る。
「いえ、だってね。ノーパン愛好家ってのは私にとって誉め言葉ですからね。これだけは譲れませんよ」
「……」
これには鈴仙は絶句してしまった。そのような烙印のような呼び方で喜んでしまうものなのかと、勇美の思考について改めなければならないと思うのであった。
その二人の様子を見ながらサグメは『やはりこの二人は仲が良い』と再認識するのであった。それと同時に二人を約束の場所まで案内せねばと考える。
『それでは二人とも、入浴場まで案内しましょう。私に着いて来て下さい』
そうサグメに言われて、勇美はここでふと思った。
「あれ、今のこの状態でお風呂に入れるのですか?」
それが勇美が懸念する事であった。月の都を全面凍結させている今、風呂場等を使う事が出来るのかと。
だが、その疑問に対してサグメはいかにも『心配ご無用』といった立ち振舞いであった。
『その点は安心なさい。この建物は他の月の都の場所とは違って凍結させてはいませんから、入浴場も問題なく使用する事が出来ますよ』
「……何だかご都合主義ですねえ」
『それ以上踏み込むのはお止めなさい。些かメタ染みた論点になっていますから』
「あ、それもそうですね♪」
サグメにこの先は一線を越えてしまう事を指摘されて、勇美は大人しく身を引くのだった。彼女とて、この話を『戦闘メカ』化させるような意図は持ち合わせていないからであった。
『よろしい。では入浴場に案内しましょう』
そう言うサグメに案内されて、勇美と鈴仙の二人は湯の滴る憩いの場へと歩を進めていったのだった。
◇ ◇ ◇
『さあ、ここですよ』
そして、二人を先導したサグメは彼女らにその場所を示すのだった。
「うわあ、ここが月の官邸の入浴場ですかぁ……」
思わず勇美は感嘆の声を漏らしてしまうのだった。今彼女の目の前に存在する脱衣場からして、その規模は計り知れないと感じられるのである。
確かに永遠亭の入浴場も大きなものである。だが、14年間外の世界の平々凡々な風呂場に慣れ親しみ、それが当然だと思って過ごしてきた彼女にとっては大浴場というのは何度見ても飽きないものがあるのだった。
『それでは、ごゆっくり』
そう言ってサグメは微笑むと『向こうで待っていますから』と言ってこの場から離れていくのだった。
「それじゃあ、脱ぎましょうか? 鈴仙さん」
「うん、確かにお風呂場でまずする事はそれだけどね……勇美さんが言うと、とても如何わしく聞こえますからね」
その鈴仙の言い分には勇美は心底
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