第三章 リベン珠
第23話 お留守番班Aチーム
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早苗と咲夜、美鈴と跳流とレミリアがそれぞれの場所で目的を果たしているその時、ここ博麗神社の参道の森でも事に立ち向かう者達がいたのだった。
一人は独特の──袖以外ほぼ様相といえる──巫女装束に身を包む少女、博麗霊夢。
もう一人は黒白の、いかにも物語に出てくるような魔法使いの格好をした少女、霧雨魔理沙であった。
この話ではない、別の軸の世界でなら最早お馴染みといえる二人であろう。
霊夢と魔理沙、この二人も月から起こされた幻想郷の異変をかぎつけて、こうして解決に向かったという事だ。
彼女達も、他の勢力と同様に地上でやりたい放題している蜘蛛型の月の探査車へと立ち向かっていたのだった。
二人は暫く様子見の形で相手をしていたのだが、どうやら今は敵のターンであるらしい。
機械蜘蛛は八本ある脚の幾本かを上に上げると、その足先を霊夢に向け、レーザーを照射したのだった。
それは足が単純に複数あるから、その砲門も複数になるという強引でありながら理に適った戦法を取って来たという事である。
「来るぜ、霊夢!」
魔理沙は咄嗟に相方の霊夢に向けて注意を促した。だが、決して『こんな事』では霊夢がやられるなどとは思っていなかったが。
「甘いわね……」
やれやれと言った振る舞いで霊夢は言うと、何の造作もないといった風に、その場でバック転をしてレーザーをかわしてしまったのだった。
そして、華麗に着地する霊夢。この程度の動作では、彼女にはウォーミングアップにもならないのだろう。
これぞ博霊霊夢の強みなのである。こうして彼女は何者にも囚われない『無重力』と言える戦法と得意としているのだ。
その様子を目の前にしていた機械蜘蛛は、感情を持ち合わせていないにも関わらずどこか苛立ちを覚えたようにも見える程であった。
そんな素振りを機械蜘蛛は見せた後、その標的の変更を行ったのだった。彼のアイセンサーに移る照準が紅白の巫女から黒白の魔法使いへと変更される。
まずは倒しやすい方から。機械であるが故に単純で効率の良い思考ルーチンが組み込まれているようだ。
そして、今度は魔理沙に目掛けて足のレーザーを放った。
「今度はあんたをご指名のようよ」
「ぬるいぜ!」
霊夢の指摘に、魔理沙は何の事はないという振る舞いの元答えた。そして、手に持った箒の柄をギュッと握りしめたのだ。
その後は行動が早かったのである。抜かりなく箒に跨がった魔理沙は、一気にスピードを上げて敵のレーザーから回避運動を行ったのだった。
これぞ、霧雨魔理沙の強みといえる事であった。霊夢のように無重力のような器用さも、同業者のアリス・マーガトロイドのように知的な戦い方も彼女には出来ないが、魔理沙には直球のパワーによる力押しの戦法が得意だったのである。
尚も敵のレーザー攻撃
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