第三章 リベン珠
第23話 お留守番班Aチーム
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力体制を取っているのだ。だから、そこには今のように友情が絡む余地があったという訳だ。
だから、こうして魔理沙は新しい事を試す機会を得られたという事なのだ。その好機を棒に振る手はないだろう。
「早速いくぜ。でもこのスペルは二段階必要でな。まずは第一段階をやるぜ。【魔放「セーフティーロックリムーブ」】」
何やら思わしげな事を言いながら、魔理沙は取り出していたミニ八卦炉にスペルの命令を送り込んでいった。
すると、ミニ八卦炉はガチャガチャと耳障りな音を立てて、その構造を変化させていったのだ。分かりやすく言うと、あらゆる箇所が解放された、ドームが通気をする為に開かれた時に似た状態となっていた。
「んん?」
勿論こんな芸当を魔理沙が今までした事はなかった。故に霊夢は狐に摘まれたように思わず変な声を漏らしてしまうのだった。
「これで、準備は整ったぜ。後は仕上げといくまでだ」
そう魔理沙が言うと同時、ミニ八卦炉に何かが集約していく感覚を霊夢は感じたのであった。それは、普段の八卦炉から感じる光と熱などではなく、漠然とだがそれとは『逆』のものを霊夢は受け止めていた。
「喰らいな……いや、『喰われちまいな』。【恋沌「オスカースパーク」】……」
魔理沙がどこか冷徹にそう宣言すると、彼女の持つミニ八卦炉から例の如く極太レーザーが照射されていったのだった。
だが、徹底的に違うのは、何と言ってもそのレーザーがまるで夜の闇を切り取って今の昼間の世界に貼り付けたかのような異質極まりない漆黒であった事だろう。
当然そのような得体の知れないような攻撃は、機械であっても許す事はないだろう。機械蜘蛛は霊夢の時は不発に終わらされた右手の砲門からのレーザー照射攻撃を行ったのだ。
しかも、それはマスタースパークのような強烈な一撃は有してはいないが、その分連射が効いたのだ。それならば、数と量でマスタースパークの出力を上回れるかも知れない。
しかし、それは『マスタースパーク』なら意味があったかも知れない事である。この今の『オスカースパーク』にはまるで無意味だったのだ。
結論から言うと、その漆黒の光線は敵のレーザー連射を『文字通り』飲み込んでしまったのだ。つまり、そのエネルギーを自らの推進力に還元してしまったのである。
これが、魔理沙の新技オスカースパークの真骨頂であった。八卦炉をリミッターを外し逆回転させる事で、破壊と動力となる力ではなく、逆に周りの力を吸収して奪う、正に混沌そのものの力を生み出すという代物である。
そして、とうとうそのカオスの力の奔流に機械蜘蛛自身を容赦なく飲み込まれてしまった。その漆黒の波動に体は、触れた所からどんどん消化されるように溶け出していったのだった。
「これはまず依姫にぶつける予定だった技だぜ、光栄に思いな」
不気
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