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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第23話 お留守番班Aチーム
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イムヴァイパー」】。さあ、どんどんいくわよ♪」
 言うと霊夢はまず、炎で渦巻く右手を敵に向けて翳した。すると、そこから炎が鞭状となって敵に向かっていった。その攻撃に相手は弾かれてダメージを負う。
 だが、当然これで終わりではなかったのだ。霊夢は今度は残る左手の炎を前に突き出した。
 今度も当然のように炎が鞭状になって機械蜘蛛へと向かっていき、容赦なく彼を叩き付けたのである。
 その左手の炎を霊夢は引っ張り込み、自分の元へと手繰りよせた。さて、彼女は一体どうするつもりであろうか。
 だが、その答えは既に見えていた。右と来て左、その後に思い付くのは一つしかないだろう。
「さあ、今度は左右同時に味わってね♪」
 そして、霊夢は片方だけでも十分な威力のそれを、今度は左右両方いっぺんに振りかざしたのであった。
 それにより、敵は迫り来る炎に十字状に切り裂かれてしまったのだった。そのダメージに耐えかねてか、金切り声とも壊れたモーター音とも取れないような音を敵は撒き散らした。
 彼のボディーの方も見るも無残な状態となっていた。その胸部は十字状の熱に切り裂かれた為、金属が溶けて痛ましい十字架が刻まれていたのだった。
 ここに、霊夢が基本的に無慈悲と言えるスタイルが現れていると言えよう。
 霊夢と敵対する者は強靭な力を持つ妖怪や神クラスの存在である為に、霊夢に無慈悲に攻撃されてもそこまで痛手を喰らう事はないのである。
 だが、この機械蜘蛛には不幸な要素が二つあった。
 一つに、その自己再生能力を始めとした性能は高くとも、自らの意思を持って異変を起こす、生きた幻想の住人達程の力は備わってはいない事であった。
 そして、二つに彼が生き物ではない事である。幾ら霊夢が無慈悲と言えど、それは生きる者に対する範疇の中での事であるのだ。だが、今の彼は正真正銘の『物』。故に霊夢は紛れもなく彼には本当の意味で無慈悲になる事が出来たのであった。
 そんな霊夢を敵に回した敵に、魔理沙は同情すら覚えつつもここで霊夢に提案をするのだった。
「やるなあ霊夢。だが、私の方も今回ちとばかし試したい事があるんで、ちょっとここは譲ってくれないか?」
「このまま単純に私が破壊してもつまらないと思っていた所だから、いいわよ、早いトコその試したい事をやっちゃってくれる?」
「サンキューな」
 ここで、魔理沙の交渉は滞る事なくうまくいったのだった。
 普段だったらこうはいかないだろう。何せ霊夢ら異変解決者達はそれぞれライバル関係にあるのだ。
 故にどちらが先に異変を解決して利益を得るかの競争相手同士となる訳だから、当然そこに協力関係など付け入る余地はないのである。
 だが、今回の異変は別であった。幻想郷全体が脅かされるという未曾有の危機となったが為に、彼女らは今までとは違い協
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