第三章 リベン珠
第23話 お留守番班Aチーム
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炎「カグツチエンド」】!!」
まず、霊夢は左の拳を敵へと打ち込んでいった。利き腕ではないので、謂わばジャブのような要領であろう。
だが、今の霊夢の腕には神の炎が灯っているのだった。故にそれはジャブの範疇を優に越えていたのだった。
霊夢の炎の左拳撃が繰り出される度に、敵の体に軽い爆発が起こっていった。それが繰り返し続けられた為に機体には馬鹿にならないダメージが蓄積されていったのである。
そして、ここが頃合いかと、霊夢は右腕にありったけの神力を込め、一気に敵のボディー目掛けて打ち込んだ。
その威力は先程までの左の攻撃とは比にならない程であった。豪炎を纏った右の渾身の一撃は、容赦なく敵機を抉り、そこから大爆発を生み出したのだった。
機械蜘蛛はその衝撃に、堪らずその身を吹き飛ばされてしまったのである。だが、何とかして彼は蜘蛛の下半身で力強く地を踏みしめてその場に留まった。
「機械に適切な表現かは分からないけど、根性あるじゃないの? ああ、でもこういうのこそ私にとってやりやすいわね」
「ああ、こういう敵の方がお前も何かとやりやすいだろうからな、分かるぜ」
しみじみと呟く霊夢に、魔理沙も納得がいったように同意の言葉を投げかけるのだった。
かつて霊夢は神奈子や依姫といった、謂わば『神』の側の領域の者達との戦いをとてもやりづらく感じたのだった。それは、霊夢自身が神に仕える身であるからに他ならない。
対して、今の敵はどうだろうか? 幻想郷に土足で踏み入り、あまつさえ道行く所の植物を枯らしていく。これ程までに『侵略者』といえる存在はないだろう。
故に、そういった側の存在を懲らしめるのが得意であり生業である霊夢にとって、今のこの時はとてもやりがいのある仕事となっていたのだった。
だが、敵も易々と退治される為の存在ではないのだ。例えそれが人工的に造られた機械であってもである。
その責務を果たすべく、敵の機械蜘蛛はその右手を変型させたのだ。その形は砲門となっていた。
「成る程、そこからレーザーなり出して攻撃するって訳ね。でも、それをさせると思う?」
そこまで言って霊夢は一旦ここで愛宕様の力を解除したのである。
このままでは心もとないだろう。何せ赤のノースリーブからいたいけな生腕がむき出しの状態に戻ってしまったのだから。
なので、霊夢がする事はただ一つである。そう、新たな神の力の顕現である。
「続いていくわよ。火雷神よ、私に力を」
言うと霊夢は両手を広げた。すると、またしても彼女の両手に炎が纏わり付いたのだ。
だが、今回は先程とは些か様相が違っていた。前回の時は厳かな松明の炎といった感じであったのに対して、今回のは激しく渦巻く炎の蛇といった様子であった。
その状態で霊夢はスペル宣言をする。
「【炎蛇「フレ
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