第三章 リベン珠
第23話 お留守番班Aチーム
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行は余りしないが妖怪退治の実戦により鍛えられているので、肉付きの良い中で筋肉も程よく引き締まっていて、非常に芸術的な体つきをしているのだった。
その彼女の体の一部である腕が、こうして今何物にも包まれずに惜しげもなくさらけ出されているのは非常に魅惑的なのである。
さて、彼女が袖を脱いだ理由。それは断じて霊夢が見せたがりな訳ではない。では、普段腋を出しているのは何かという事になるが、それは彼女のみぞ知る事だろう。
そして、これから体術を仕掛ける為でもないのである。霊夢は肉体を実戦で鍛えている訳だが、それは肉弾戦によるものではないのである。
彼女の攻撃方法はお札や針や宝玉による遠距離からの攻撃がメインとなるのだ。では、彼女が肉体を鍛えられるに至った要因はというと、それは彼女の身のこなしにあるのだった。
要は霊夢の鍛えられ方は格闘家というよりも、新体操の選手に近いものがあるようである。そのように計らずとも筋肉を回避の為に特化させていったのが霊夢の強みの一つなのかも知れない。
そう、霊夢の霊力・神力はほどんどを攻撃に回せるという事である。それを今彼女は実行に移す。
「愛宕様よ……」
呟くが瞬間、霊夢の両腕は一気に神の炎に包まれたのであった。
これはかつて月で依姫が見せた演出と同じである。しかも、両腕に炎を灯している為に、単純計算でその威力は二倍というものだろう。
「霊夢……それは……?」
「ああ、魔理沙。あんたにはまだ言ってなかったわね」
言って霊夢は今までの自分の経緯を説明していく。
それは『幻想郷』にて霊夢と依姫が戦った後の事であった。その戦いの後で、依姫からこんな事を言われたのだった。
──貴方には火の力の扱いに分があるようね。それに特化させれば貴方はもっと伸びるわよ。と。
それを、依姫の助力の元霊夢はこなしていったのだった。元来の彼女の努力嫌いが足を引っ張りはしたが、それでもこうして実戦に至れるレベルにはその技術を昇華する事は出来たのである。
そして、神の火に袖を焼かれないが為に袖を脱いだ訳であった。別段脱がなくても使用者の衣服には影響がないものの、脱いだ方がやりやすかったからというが霊夢の弁である。そもそもひらひらした袖を付けたままではこの攻撃はやり辛いであろう。
新たに『炎の袖』を纏った霊夢は、ひょいひょいと軽い身のこなしで敵の懐へと潜りこんでいった。
当然敵が指をくわえてそれを許している訳はなかった。人間の上半身が新たに加わった機械蜘蛛は、その構造を活かして鋼の拳を近づく霊夢へと次々に打ち込んでいく。
だが、それをことごとく霊夢はかわしていった。無重力の巫女が、そのような今から初めて手にした力で墜とされる訳がなかったのである。
そして、霊夢は敵の懐からスペルの宣言をする。
「【神
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