第三章 リベン珠
第23話 お留守番班Aチーム
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は続いていったが、魔理沙はその根性と力でその状況を切り抜けていっていた。
そして、彼女なただ回避するだけではなかったのである。幾度となく来るレーザー攻撃をかわしつつ、確実に機械蜘蛛との距離をつめていたのだった。
好機は今しがた到来した。遠すぎず、近すぎない距離をとった魔理沙は、ここでとっておきのスペルを発動する。
「【「ブレイジングスター」】っ!!」
その宣言の後、魔理沙は箒から火を吹きながら、一気に加速して機械蜘蛛へと突進していったのである。
自らが弾丸のような存在となる事により強力な突撃攻撃を行えるのが、このブレイジングスターなのであった。
そして、それは一瞬であった。激しい爆音が巻き起こったかと思うと、そこには胴部に極大の風穴を開けられた機械蜘蛛と、その向こう側まで飛んでいた魔理沙があったのだった。そう、彼女の攻撃は『文字通り』機械蜘蛛を貫いたのである。
対して、機械蜘蛛はビキビキと軋む音と激しい火花を出していた。そして、動きは最早見られない。
無理もないだろう。このような致命傷を負えば、妖怪のような強靱な生命力を持つ者以外なら命を取り留める事は困難な状態なのだから。それが機械であっても、様々な内部構造をしているのだから、もう正常に動く事は出来ないだろう。
そう、これでカタがついた──筈であった。敵が彼一体でなかったらの話であるが。
博麗神社の土地に向かっていたのは、実は一体ではなかったのだ。まるで、この時を見計らったかのように傍らから『もう一体』の機械蜘蛛が現れたのであった。
「何、もう一体いたのかよ!?」
「……厄介ね」
驚愕する魔理沙と、平静を保ちながらも面倒な展開になったという心持ちになる霊夢。
そして、事態は二人が予想していたよりもややこしい事となるのだった。
もう一体の機械蜘蛛が現れた事により、今しがた魔理沙の渾身の一撃で満身創痍になっていた一体が、まるで悟りを得たかのような雰囲気を醸し出したのである。
次の瞬間、それは起こった。ポンコツ寸前だった方の機械蜘蛛は、残った機体の部分をその場で自ら分解してしまったのだった。
そして、その分解されたパーツ達はもう一体の機械蜘蛛の方へと向かっていったのである。続いて、そのパーツは次々にその蜘蛛へと取り込まれていった。
パーツを取り込んだその機械蜘蛛の構造は一気に変化していく。メキメキとその体積を増やしていき、上部から細胞分裂をするが如く増大していった。
そのような機械にあるまじき行為の後、そこに立っていたのは元の蜘蛛の体を下半身とし、上部には完全に上乗せの形で人間型の上半身が備え付けられていたのだった。
それは、まるで半人半蜘蛛の化け物『アラクネ』のようである。
当然、幻想郷の住人でもそう易々とお目に掛かれないようなこの光
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