第三章 リベン珠
第22話 お留守番班Bチーム
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り、彼女達はれっきとした生き物であるという事だ。
「お嬢様、お気を付け下さい」
「そいつは再生能力を有しておるが故に、隙を与えてはいかんぞい」
端から見ていた美鈴と跳流はそのレミリアの様子を見て些か慌て出した。ここでまた敵に自己再生の機会を与えてしまっては、いかにレミリアと言えども対処が難しくなってしまうだろう。
だが、レミリアは如何にも余裕といった態度を崩さない。
「まあ、安心してもらおうか。少し息を整えただけだ。こいつの好きになど私がさせると思うか?」
「おおう、その威厳。さすがはカリスマじゃのう」
「お嬢様、素敵です」
二人に言われて、レミリアは「意外に結構ウケが良かったわね」と、内心喜んでいたのだった。
「まあ……何だ。ここからはスペルカードを使うからよく目を凝らして見ておくといい」
そう言ってレミリアはここに来て始めてのスペルカードを懐から取り出し、宣言する。
「【冥凶「蒼のランプ」】……」
宣言後、レミリアの右手に青白い炎の塊が現出していた。それを見て美鈴が驚きの声をあげる。
「お嬢様が……赤くないスペルを使った……?」
「そんなに珍しい事なのかのう?」
「ええ、それは勿論。お嬢様ってば何かって言うと赤ばっかりにして。紅魔館見て貰えば分かるでしょう? 外観から内装まで赤、赤、赤ってどこぞの通常の三倍のスピードで動く人かって思いますよ」
「……美鈴、全部聞こえているから……」
こうも露骨にダメ出しをしなくてもいいじゃないかとレミリアは項垂れた。ここまでハッキリと言われては、地獄耳でなくても嫌でも聞こえるというものである。
だが、ここでレミリアは気を持ち直す事とする。彼女は増長した性格だが、それが故にメンタルは強く出来ているのだ。これしきの事でくよくよしているレミリアなどレミリアではないだろう。
ともあれ、まずは今しがた発動したスペルの効力を使うまでである。レミリアは手にした蒼い炎を敵に目掛けて振りかざすと、その勢いのまま鞭のように機械蜘蛛へと向かっていったのだった。
それにより、機械蜘蛛の表面はその攻撃に抉られてしまった。そう、溶けるではなく、抉られたという表現になるのだ。
どうやら、この炎は普通の炎ではないようで、闇の領域にある魔の炎であるようだ。
確実に敵には効いているようだ。これに気を良くしてレミリアは更に闇の炎の洗礼を機械蜘蛛へと浴びせていった。
「おおー」
「凄いですね……」
その光景を見ていた二人は、攻撃の芸術性と威力に目を見開いていた。美しさと強さを兼ね備えたそのスペルは、正に弾幕ごっこに相応しいポテンシャルを秘めている事を実感したからだ。
外野の反応もまずまずであったので、レミリアは実に満足であったようだ。だが、ここでその興をぶち壊す発言
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