第三章 リベン珠
第22話 お留守番班Bチーム
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疲れただろう。お前達は戻って休憩していていいぞ」
そのレミリアの態度は尊大ながらも、気遣いの念も見られるものであった。こういうさりげない気配りが出来るのも彼女の魅力なのである。
対して、その話は正に渡りに舟だったのは跳流だ。
「それじゃあ、わしは休ませてもらうかの。朝っぱらからの運動というのは少々疲れたからの。ちなみに、食後のおやつは稲の葉入りのケーキをご所望するぞい」
「そんなもんあってたまるか」
レミリアはぶんぶんと首を横に振りながらツッコミを入れた。普通バッタはケーキなんかは食べないので色々おかしいのだった。
「そうか、それは残念だの。ならば、お主の戦いっぷり、ちいとばかし見学させてもらっていいか?」
それは、純粋な跳流の好奇心であった。自分のライバルである黒銀勇美、その彼女が何かと一目置く存在たるレミリアの戦い方とはいかほどのものなのか興味が沸くのだ。
跳流のその要望に嫌な顔一つせずに快く承諾するのがレミリアであった。彼女は派手好きが故に周りの者をより魅せるのがモットーなのである。
「ああ、構わないさ。好きなだけ見ておくといい♪」
レミリアは人差し指を上に立てて、威厳たっぷりにそう言った。
「お嬢様の戦いが見られるのですね」
対して、我が主たるレミリアの戦闘が見られるとなって美鈴は心沸き立つのだった。彼女とて、自分の肉体を洗練させて鍛えていくのが流儀である。それが故に強大な力を持った吸血鬼たる主の戦いを見ても決して無駄にはならないだろう。
そして、乱入者の参入により、ギャラリーとなった二人の意見は一致していた。
「わしらはあやつの邪魔にならぬように身を引いておくとするかの」
「そうですね」
レミリアが思う存分戦える為の配慮をした跳流と美鈴。そして、ここにレミリアのフィールドが出来上がったのだ。
「まずは、小手調べと行きますか♪」
言うとレミリアはその跳躍力で一気に機械蜘蛛へと距離を縮めていったのだ。そこに彼女の蝙蝠のような翼は推進力を生み出す要因となっていた。断じてこれは飾りではないのである。
勢いに乗ったレミリアは、そのまま自前の爪で機械蜘蛛へと切り掛かったのである。それにより機体は甲高い音を立ててその表面に傷が付けられてしまう。
レミリアの猛攻はここから続いていった。爪の攻撃を右、左、右と次々に繰り出していったのだった。
これにより機体からは激しく火花が飛び散る。そして、その動きに鈍りが見えてきた。
ここで、レミリアはその猛攻を止めた。
「ちょっと疲れたね」
さすがのレミリアと言えど、生物である以上、その動力には限りがあるのだ。世の中には生物ではないが故に無限の力を有する『不死者としての吸血鬼』もいるが、レミリアとその妹のフランドールは『悪魔としての吸血鬼』なのだ。つま
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