第三章 リベン珠
第22話 お留守番班Bチーム
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もうたんじゃった♪」
跳流は悪びれずにそう宣った。擬音を付け加えるならこの場合『てへぺろ』が最有力候補であろう。
確かに跳流は高出力の放電攻撃を放つ事が出来たのである。だが、それには彼女の細胞から造りだされた『アバドンズジェネレーター』なる玉状の核が必要不可欠なのだ。そして、勇美にあげたその核が再び形成されるには向こう十年は掛かるのである。つまり、今は無理という事、それ以上でも以下でもないのだった。
「は〜ね〜る〜さぁ〜ん……」
「悪い悪い。じゃがそう責めんでくれ。間違いは誰にでもあるものじゃろう。それに、お主のさっきの極太レーザーがあればそれでカタが付くじゃろう」
「いえ、あんなの私には一日一回しかムリですって。連発なんてファンタジーやメルヘンや魔理沙さんじゃあないんですから」
とどのつまり、この二人の相性が良い理由はどちらもどこか抜けている所にあるかも知れないのだった。そうこうコント染みたやり取りをしている内に、半身吹き飛んでいた敵はものの見事に完全再生を成し遂げてしまっていたのである。
「あちゃ〜、これで振り出しじゃのう……」
「まあ、地道にまたやりましょうよ」
そう二人は現実を受け止めているのか、現実逃避をしているのか分からない態度で宣っていた。
「やれやれ、見ていられないな……」
と、ここで二人の背後から声がしたのだった。美鈴にとって、その声はとても身近なものであった。
「あ、お嬢様。お目覚めになられたのでですか」
美鈴が指摘するとおり、その人物は紅魔館の令嬢たるレミリア・スカーレットその人であった。幸い、ここは深い森の中なので日光避けの日傘は必要ないようだ。
「まあね、ちょっと『朝ふかし』のついでに体を動かしたくなってね」
レミリアはそう珍妙な言い回しの言葉を紡ぎながら、さも当然といった様子で二人の戦列に加わる。
対して、跳流にとってはレミリアに会うのは珍しい事なのであった。基本的に昼夜逆転している吸血鬼と顔を会わせる機会というものは少なくなるだろう。
「お主と会うのは久しぶりじゃのう」
「そしてお前は跳流か。お前のお陰で門番が『割と』やる気になってくれたと咲夜が喜んでいたよ」
「わしか……?」
そう首を傾げながらも跳流は合点がいった。確かに自分とあったばかりの美鈴は何かというと昼寝ばかりしていて、お主はどこぞの青タヌキの友達かと思った程であった。
だが、自分と格闘技術を切磋琢磨に磨き上げていった結果、7割方くらいは仕事を真面目にやってくれるようになったとの事である。
「まあ何じゃ、それは光栄というもんじゃの」
また自分が与えた思わぬ影響を指摘され、跳流は満更でもないといった気持ちとなる。
彼女がそう思っている所へ、レミリアはこう言って来る。
「私より先に敵の相手をしていて
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