第三章 リベン珠
第22話 お留守番班Bチーム
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良好な関係が誕生したという訳である。
そんな二人は敵機に見事な連携攻撃を仕掛けつつも言葉を交わし合っていた。
「やっぱり跳流さんはお強いですね。勇美さんが入れ込むのも頷けますよ」
「それは光栄じゃのう。しかし、お主も勇美からいい印象を受けておったぞ。人当たりが良い性格でとっつきやすいとか、お主に気を送り込まれると、とても心地良いとな」
「そこまで気に入ってくれていたんですね」
その事を良く思いはすれど、悪い気は全くしないなと美鈴はこそばゆい心持ちとなる。
「お主の操気術には、わしも興味がある所じゃのう。わしには出来ない術であるが故に羨ましい限りじゃ」
「光栄です。でも、跳流さんには跳流さんにしか出来ない事もあるじゃないですか?」
「わしに……っ?」
そう言い掛けた所で跳流は気付いた。先程から二人の攻撃を受け続けてある程度のダメージを負っていた筈の機械蜘蛛の損傷が、ものの見事に消え去っていたのだから。
「おしゃべりは程々にした方が良さそうじゃのう。こやつ、恐らく再生能力を有しておるわ」
「それは厄介ですね」
美鈴も跳流からの忠告を受けて身構えた。確かに自分の操気術も代謝を促し傷を癒やす事の出来る代物である。
だが、それを行うには集中力と精神力と時間を多く有さなければいけないのだ。だが、目の前の敵は何の造作もないといった様子でそれを軽々やってのけたのだ。
そう考えながら美鈴はこう提案した。
「少しペースアップしますか、敵には自己再生の隙を与えなければ大丈夫だと思われますし」
「そうじゃのう、ではスペルカードを使っていくとするかのぅ」
言って跳ねるは懐からスペルカードを取り出す。その後、こう付け加えた。
「お主、さっきはわしにしか出来ない事があると言ったのう。せっかくじゃから、それを実行させてもらうとするかの。【離符「オープングラスホップ」】♪」
その宣言の直後であった。何と跳流の体は綺麗に三等分され、三体の大きなバッタへと変貌したのだった。
これは、跳流の能力である『妖怪バッタの群れで肉体を形成する能力』を応用したものなのだ。普段は全ての群れを使って一人の少女の姿をとっているが、こうして群れを三組に分ける事で、擬似的に複数に分裂出来るのである。
「「「では行くとするかの♪」」」
三体に分裂した跳流は、一斉に言うと各々で敵へと向かっていったのだった。
そして、彼女等は見事に巧みな連携を取りながら時間差で間髪入れずに緑色のエネルギー弾を機械蜘蛛へと繰り出していった。
「やはり跳流さんは凄いですねぇ……」
その芸術的とも言える一人連携プレーを目の前にして、美鈴は思わず見惚れてしまうのだった。跳流はただ単にスペックが高いだけではなく、こうして奇抜な戦術も取れるのが魅力だと美鈴は感じていた。
だ
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