第三章 リベン珠
第21話 お留守番班Cチーム
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なた、突然なんなんですか? 気味悪いですよ」
「はっ、私とした事が妄想で頭の中がまみれていました」
「事情は分かりませんが、気を引き締めて下さいませ。何分敵は未知数なのですから」
「……はい、善処します」
早苗にそう言いながらも、咲夜はどこかデジャブを覚えるのだった。そう、まるで今の早苗はお嬢様の事で夢中になる自分と似て……。
そこまでで咲夜は考えるのをやめにした。これ以上は自分でも踏み込んではいけない領域だと感じての事であった。
不運にも、この場には妄想癖の強い二人が揃ってしまったという事であった。だが、幸か不幸かそんな二人が思考の泥沼にどっぷりと浸かってもいられない事態がこの後起こるのであった。
先程咲夜の生成した大鎌に叩き潰されていた探査車。これで機能停止するかと思われていたそれが、何と再起動を始めたのである。
機械蜘蛛は半壊したボディーとは思えない機敏な動きで、咲夜と大鎌との距離を取って安全を確保したのだ。
更に続いて起こった事が問題なのであった。咲夜の一撃で半壊した筈の機械蜘蛛は、その場でみるみるうちにビデオの巻き戻しのように元の姿に再生してしまったのである。
「「!?」」
さすがの二人もこれに驚かない程の度量は備わってはいなかった。
咲夜はかつて竹林の蓬莱人と戦いで、相手が再生する所を見た事はある。だが、それはかなり特殊な例であり、基本的に敵は攻撃を受ければ疲弊していくのが常識なのである。
その常識が今の敵の機械蜘蛛には通用しなかったのだ。いくら戦いに手慣れた咲夜と言えどもその光景には息を飲まずにはいられないのであった。
だが、一方で咲夜の今の相方の方の表情は晴れ渡っていた。そして、その理由を彼女は口にする。
「大した事ありませんよ。私はもう幻想郷では常識に囚われないと決めたのですからね♪」
そう、その弁こそ早苗が幻想郷で紆余曲折あって導き出した持論なのである。こういう時こそその効力を活かさないでいつ活かすというのか。
「再生には相手が距離を置かなければならなかったのは、隙が出来ないと再生出来ないって事でしょう。なら、隙を作らないまでですよ」
そう言って早苗は手に持った祓い棒に自身の現人神としての力を注ぎ込んだのである。
それにより、彼女の手には大振りの剣……に見える張りぼての代物が握られていたのだ。
見た目だけが立派になったという事だ。だが、問題は彼女の霊力と神力を存分に出力出来る媒体になればいいのである。
「あなたも、私の知らないような事が出来ましたのですね」
「はい、まあそうですね」
そう咲夜の素直な驚きに対して、早苗は返しながらどこか感慨深い気持ちとなっていた。
──思えば勇美にはこの技で勝ったんだと。だが、今の勇美に対しては決定打にはなり得ないだろう、そう早
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