第三章 リベン珠
第21話 お留守番班Cチーム
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から先の様相が些か違っていた。いや、『些か』では片付けられないような規模のものといっていいだろう。
彼女は大量展開したナイフを一直線状に宙に並べると、そこで『神力』を注ぎ込んだのである。
そう、神力である。咲夜は依姫に修行をつけてもらった事により、ある程度の神力を扱えるようになったのだ。それに咲夜自身の奇術的な戦闘スタイルが加わってかなり独自のものとなっていた。
咲夜が今し方行った事。それは集めた無数のナイフに神力を注ぎ込み──一本の巨大な大鎌へと変貌させるという荒技であったのだ。
後はその大鎌に迎撃命令を下すだけである。
「大鎌よ、やりなさい!」
その一声の下に、彼女が生成した収穫の鎌は無慈悲に機械蜘蛛へと振り下ろされた。
金属同士がぶつかり合う激しい音が辺りに響き、ものの見事に大鎌は機体を叩き潰していたのだった。
「すごい……」
その光景に早苗は呆気に取られる。咲夜が幻想郷でも有数の実力者である事は早苗も知っていた。だが、このような目を引く演出を軽々とやってのける程ではないと早苗は思っていたのだ。
だが、現実はどうであろうか。今正に咲夜は普段の彼女のイメージであるトリッキーな戦法からは想像もつかない大胆な攻撃に転じたのであった。
その事実から早苗から導き出される答えは一つである。
「これが……依姫さんの力……?」
それが結論であった。以前に早苗も依姫と接触して、彼女は同じ巫女的な存在としての憧れだと思うようになってはいた。
だが、その時は早苗は依姫の底力をまだ完全には理解していなかったという事に他ならないのだ。
確かに、あの時は依姫の元で修行をしていた勇美と戦いはした。だが、彼女はまだ発展途中であり、現にその勝負は早苗が勝ったのである。
しかし、元から高いポテンシャルを持った咲夜が依姫に修行をつけてもらったが為に、その影響力というものが目に見えて分かるに至ったのが今という事である。
その事から、早苗にはもうある一点の話題しか頭になくなっていた。
(私も依姫さんに修行をつけてもらいたい……)
そうすれば今よりも強くなる事が出来るだろうから。彼女も幻想郷では新参者であるが故に、もっと高みを目指していきたいと切望するのだ。
そして、依姫の元で修行する環境になったら、当然勇美と共に修行出来るのだ。彼女と一緒に苦楽を共にしたり、修行の後は勇美の汗を拭ってあげたり、その後汗を流す為に居二人で一緒にシャワーやらお風呂に入ったり……。
それが、早苗が行き着く最大限の発想という残念な結果だったのだ。そして、その妄想とも言える思考が表に見える形になってしまっていたようだ。
「えへへへへ……」
気付けば早苗はだらしなくよだれを垂らしながら恍惚の表情を浮かべていた。それに咲夜が気付く。
「……あ
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