第三章 リベン珠
第21話 お留守番班Cチーム
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もご存知頂いて幸いですわ。東風谷早苗さん」
ここに、互いに自分の事を知ってくれていたようで意思疎通がやりやすくて良いなと二人は思うのだった。だが、ここで早苗には一つの疑問が生まれる。
「何故、咲夜さんがこの妖怪の山に?」
「私とて、幻想郷が今厄介な事態になっている事は知っていますわ。紅魔館周辺はお嬢様が引き受けてくれましたから、私は別の場所へ加勢するようにって言われたって事ですよ」
「成る程……」
早苗はその咲夜の主張に納得するのだった。普段は絶妙な緊迫した各勢力のバランスで成り立っている幻想郷であるが、今こうして共通の故郷の危機となれば、力を合わせるのが共に住まう者達の役目なのだと。
無論、早苗にとっても渡りに舟であった。自分のような新参者では対処に限界がある中で、こうして加勢してくれる者が存在してくれたのだから。
なので、彼女の答えは決まっていた。
「ご助力ありがとうございます、咲夜さん」
「お安いご用ですわ」
そう言って、咲夜と早苗は微笑み合うのだった。
咲夜はそのやり取りの後、機械蜘蛛に向かい合いながら、独り言とも、早苗に聞かせるともとれるような口調で言い始めた。
「それに、あの神霊使いの元での修行の成果を見せる時が来たこの機会、利用しない手はありませんわ」
「依姫さんの元で、ですか?」
早苗はその言葉に驚いた。噂には咲夜が依姫に修行をつけてもらっていたという事を小耳に挟みはしたが、こうして事実だったとはにわかには信じられないでいたからだ。
だが、それはこの目で確かめるまでは半信半疑である。咲夜は種も仕掛けもない奇術を使いはすれど、嘘をつくような人ではない事は分かっているが。
そう早苗が思っていると、咲夜はミニスカートの中に悩ましく存在する太ももに備え付けられた中からスペルカードを取り出したのだ。
(あ、何か素敵……)
思わず早苗はそう思ってしまった。ミニスカートはこういう事が出来る所に魅力があると思うのだった。
そして、更に言えば折角勇美はミニの和服なのだから、彼女もやるべきだと切実に感じるのだった。もし勇美がやってくれたらその度に幸せを噛み締める事が出来ると早苗に渇望が生まれていた。
早苗のそこまでの思考に掛かった時間は僅か一秒であった。彼女の萌えに対する追求心は半端ではなかったのである。
勿論咲夜はその一瞬の内に熱くたぎる情熱を燃やされた事は知る由はなかった。もし知ったら軽く人間不信となっていただろう。
なので、咲夜は滞りなくスペルの発動へと向かっていった。
「手始めに【穫符「クロノスの大鎌」】ですわ♪」
咲夜がそう宣言すると、彼女は大量の銀のナイフを展開させたのだ。
そこまではいつもの咲夜のお得意の戦法である。それだけなら問題はなかったのである。
だが、ここ
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