第三章 リベン珠
第21話 お留守番班Cチーム
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い光景を目に焼き付け心を痛ませながら、早苗は暫しそれを辿っていっていた。その追走劇もやがて終わりを迎える事となる。
つまりそれは、とうとう見つけたのである。
「あなたですね……」
機械にあなたという物言いも可笑しいかも知れないが、早苗はそう言わずにはいられない心境になっていたのだ。
そう、彼女の前には蜘蛛型の機械、紛う事なき月の探査車が存在していたのだった。今は無駄なエネルギーの浪費を防ぐ為か、微動だにせずに佇んでいる。
そして、早苗の気持ちは最早決まっていた。「これ以上幻想郷で好き勝手はさせません。あなたを破壊させて頂きます」
言って早苗は臨戦態勢に入ったのだった。
彼女とて、幻想郷が新たなる故郷となった者の一人であったのだ。故に、それを護りたい気持ちは同じであるのだ。
対して、例え機械であっても自分が破壊などされては堪ったものではないだろう。早苗の言葉に反応するかのように探査車は胎動を始めたのだ。
やがて、機械から生命染みたエネルギーがそこから感じられた。
「来ますか……」
本腰を入れて戦わねばならないだろうと、早苗は覚悟を決めるのだった。
◇ ◇ ◇
早苗にとって、幻想郷に来てからはまだ日が浅いのでスペルカード戦の経験は少ない新参者なのである。ましてや、蜘蛛型の機械という異形の存在と弾幕ごっこをするなど未だに経験した事がないのだった。
当然未知の領域での戦いとなるのだ。故に早苗は慎重に事を運ぼうとする。
「まずは手始めに。【奇跡「白昼の客星」】!」
そう早苗が宣言し手を翳すと、彼女の掌から無数の星の絵の形の弾幕が射出されていったのだ。その光景を自ら見ながら早苗は思っていた。
「あ、これ勇美さんのプレアデスブレットに似ていますね〜♪ うふふふふふ……」
言いながら愛しい人への想いにどっぷりと浸りながら不気味な笑いを漏らすその様は、誰が見ても引き攣る事もうけ合いだった。
だが、丁度今その例外が相手だったのだ。何しろ相手は機械であるが故に恐れ等の感情は持ち合わせていなのだから。それは探査車にとってはある意味幸運だったかも知れない。
ともあれ、その感情を持たない機体へと早苗の生命のエネルギー攻撃は加えられていったのである。
見事に機体に星型のエネルギーが着弾すると、パチパチと弾けてその機体にダメージを与えていった。勿論相手は機械であるが故に痛みを感じない訳であるが、それでも怯む素振りを見せていたのである。
(普通に攻撃は効くみたいですね……)
その様子を見ながら早苗はそう感じていた。これなら、人型の相手と同じようにダメージを与えて倒していけるだろうと。
だが、相手は機械でも当然受けてばかりという事はなかったのだ。とうとう、今まで謎に包まれていた機械蜘蛛の行動がここに始ま
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