追想〜戦う理由〜
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〜リンダース、リズベット武具店にて〜
「で、刀匠リズ殿よ。このインゴットで俺に合う短剣が作れるんだな?」
「別に刀匠じゃないけどね。まぁいいけど・・・・・・さて!ちゃっちゃと始めちゃいましょうちゃっちゃと」
そう言いながらリズはOZインゴットを炉に放り込む。いつもの彼女と同じように見えたが違う。最高の逸品を作ると言う覚悟がしっかり伝わった。溶けたインゴットをヤットコで掴み、カーン、カーン、と小気味良い音を響かせてトンカチを振るう。プレイヤーメイドの武器の出来は(インゴット、作る人間のレベルにも依るが)ランダムだと聞いているが、これは他の追随を許さない逸品が出来る。そう感じた。そして震えた。
「よし!出来たーー!」
叩かれていたインゴットが徐々に形を変え、二振りの短剣がこの世界に生まれた。片方は白く微細な彫刻が施された美しい短剣。もう片方は長方形の鍔が付いただけの無骨な漆黒の短剣。白い短剣の方は堅実な武器を好む俺には似合わないし、漆黒の短剣の方はどんな武器も持つ刃特有の美しさすら持たない無骨な携えだったが、不思議と手を伸ばしたくなる。そんな二振りの剣達だった。
「えっと、白い方の銘はダザヌス、黒い方はゲオルグね。」
手にとり重さを確かめる。どちらの重みもちょうどいい。良い剣だった。
「よし、いくらだ?」
「お代は良いわ。その代わり条件があるの」
「はぁ?お前、俺に惚れでもしたか?」
「違うっての!!あんた、キリトの相棒なんでしょ、だったらお代の代わりにあたしがキリトと付き合えるように手伝いなさい!」
「ええーーー・・・・・・」
リズさんよ・・・・・つまりアスナ(恋する狂戦士)を敵に回せと仰っているのでしょうか?血盟騎士団及びSAO全男性プレイヤーを敵に回す事と同じ意味なのですよ?
「あーあーうんうん解りましたよ・・・・・」
そんな事を考えてるとは微塵も感じさせない雰囲気で頷く。何故かって?大人だからだっ!!
その後も俺達は暗くなるまで下らないバカ話をし続けた。
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