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ドサド巫女
第四章

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「私も」
「そうだな、お前はいい奴だ。つまりだ」
「つまり。何じゃ」
「本当はドサドじゃない」
 このことは事実だというのだ。
「実はツンデレだ」
「それか」
「そう思った、ではな」
 それではと言うのだった。
「これからもだ」
「そのツンデレか」
「いくといい、俺もツンデレは嫌いじゃない」
「?私と付き合うのか?」
「俺はもう彼女がいる」
 三日月は愛のまさかという言葉に無表情で返した。
「妹の同級生がな」
「何歳じゃ」
「十七歳だ」
「手を出したら犯罪じゃな」
「そこでそう言うか」
「いかんのう、それは」
「だから十八になるまではな」
 その相手の娘がというのだ。
「待っている」
「うむ、そこはしっかりとな」
「だからお前に告白することはしない」
「そうか、実は私も相手がおる」
「そうだったか」
「三十歳独身のな」
「十一歳年上か」
 三日月は冷静に返した。
「それはそれでな」
「いやいや、何かとわかってくれている人でな」
「いいか」
「そうなのじゃ、これが」
「そうか」
「それに私は十九歳だからな」 
 それでというのだ。
「問題ないしな」
「いいか」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「これがいいのじゃ」
「まあ犯罪じゃないからいいか」
「そうじゃのう、あと浮気はせん」
 それは駄目だとだ、愛は言った。
「そして人の彼氏とかにもな」
「そうだな」
「あんたもそれはないな」
「俺はその娘一筋だ」
「それはよいことじゃ、ずっとそのままでいることじゃ」
「そうだな、あとお前が実はいい奴なのは今も出ている」
 三日月は愛にこうも言った。
「よくな」
「それは何処にじゃ」
「このお茶はお前が煎れてくれた、お茶菓子もだ」
 これもというのだ。
「出してくれたからな」
「だからなのか」
「わかる、そしてこれからもか」
「私は私じゃ」
「ツンデレのままでいくか」
「ドサドでじゃ」
「それでいくか」
「そうじゃ」
 愛はお茶菓子の饅頭を食べながら返した、そして実際にだった。
 愛はそのままの性格や行動のままでいた、だが誰も彼女を嫌わなかった。本当はどういった娘かわかっていたので。


ドサド巫女   完


                   2020・10・12
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