第六十九話 自由の国
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アに市内に繰り出した。
……
所変わって、マダム・ド・ブラン、新トリスタニア支店。
「お邪魔するよ」
「これはこれは、いらっしゃいませ」
店員の男が、『手もみ』をしながらやって来た。
「二人に似合うドレスを発注したい。それと……流行の服を二人分、何着か欲しい」
店内に展示されている流行っぽい服を見渡して行った。
「ありがとうございます! つきましては、御二方の服の寸法を測りたいのですが、お時間は宜しいでしょうか?」
ドレスはトリステイン本国でのオーダーメイドの為、寸法を測らなければならない。
「二人とも良いよな?」
「いいよ〜」
「分かりました」
「そういう訳だ。後はよろしく」
奥から女性の店員がやって来て、二人を別室まで連れて行った。
「お客様は、終わるまでこちらでお待ち下さい」
「ありがとう、失礼するよ」
マクシミリアンが招かれたテーブルには温かい紅茶が置かれていた。
椅子に座り一服するマクシミリアン。
店内を見渡すと、年内は人間に混じってイロコワ連邦の亜人や変化した獣達で賑わっていた。
「儲かっているみたいだな」
「イロコワ連邦の方々が、衣服を大量に買い込んでくれるお陰で、大変儲かっております」
「結構結構、血を流した甲斐があった」
「と、言いますと、お客様は将校様でしたか」
「まあ、そんなものだ」
店員は、目の前に居る男がヌーベルトリステインの総督とは気付かない様だ。
マクシミリアンも、余り畏まられるのも調子が悪い。自分の正体を明かすつもりは無かった。
「戦争といえば、戦死され兵士の遺族の方々に遺族年金……でしたか。年金を出すように取り計らうとは、総督様には頭が下がります」
「ブフォ!?」
「どうかされましたか」
「いや、なんでもない。もう一杯頂けるか?」
「どうぞどうぞ、何杯でもございます」
そう言って店員はマクシミリアンのカップに紅茶を注いだ。
店員の話にあったように、戦死した兵士の遺族に毎年幾らかの金を渡すようになった。
他にも負傷した兵士にも、幾らかの年金と再就職を斡旋を行っていた。
それが、戦争に駆り出された兵士達へのマクシミリアンなりの責任の取り方だった。
暫くして、テゥファニアとアニエスが、寸法を測り終えて戻ってきた。
「戻ってきたみたいだな。悪いけど二人に似合いそうな服を見繕ってくれ」
「かしこましました」
「二人とも好きな服を買って良いよ」
「ありがとう、マクシィ兄さん!」
「私までありがとうございます」
二人は、店員の持ってきた服を試着し始めた。
ティファニアは若草
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